会社の口座から1億円着服、ギャンブルに 容疑で工具会社の元社長逮捕 本社役員が帳簿見て発覚/埼玉県警

埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 会社の口座から計1億円以上の現金を引き出して着服したとして、埼玉県警捜査2課と吉川署は12日、業務上横領の疑いで、工業用工具の輸入・販売会社「レボー・レーバー・ジャパン」(三郷市新和4丁目)元社長で自営業の男(53)=草加市栄町2丁目=を逮捕した。

 逮捕容疑は、2017年2月7日から18年11月4日にかけて、社長として経理、出納などの業務全般を統括する自身の立場を悪用し、同社名義の会社資金計1億882万1千円を横領した疑い。

 同課によると、19年11月19日に同社の弁護士から吉川署に「元代表取締役が同社口座から勝手に現金を引き出し、これを私的に費消した」と相談があり県警が認知。200回以上引き出された現金の使途先を捜査し、そのうち149回分の使途先を突き止めた。現金は全額、ギャンブルに使っていたという。

 海外にある本社の役員が来日した際に、同社の帳簿を見て多額の出金が明るみになった。この役員が男を追及したところ、犯行を認めたという。その後、18年11月28日に男は社長を解任された。

 男は「ギャンブルに使ったことは間違いない。勝ったお金を会社の運営資金にするためにやった」と供述しているという。

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