コロナ禍のキャンプ人気 南島原、エコ・パーク論所原 「密」避け、非日常魅力

密を避け、キャンプを楽しむ家族連れ=南島原市、エコ・パーク論所原

 コロナ禍が収まらない中、「密」にならずに非日常感を味わえるとして、キャンプ場が全国的に人気を集めている。長崎県南島原市北有馬町のエコ・パーク論所原(ろんしょばる)も土日祝日は予約でいっぱい。施設管理者は「時間を忘れて、現実の疲れを癒やせるのが魅力なのではないか」と声を弾ませる。
 エコ・パークは、雲仙天草国立公園内の標高約500メートルの高台にあり、敷地面積は約17万平方メートル。有明海に沈む夕日や天草の島々が眺望できるなど雄大な自然が自慢だ。オートキャンプ場(25区画)のほか、キッチンや風呂、トイレを完備した貸別荘風のキャビン(5棟)、レストラン、直売所を備えたセンターハウスなどがある。
 4月29日~5月8日のゴールデンウイーク(GW)序盤の2日は平日にもかかわらず、多くの家族連れでにぎわった。2世帯計8人で訪れた京都市の会社員、エリオット・奈津子さん(40)は「山に囲まれて空気が爽やか。(有明)海も見えて最高に気持ち良い。過去に行ったキャンプ場でも上位」と笑顔で話した。
 エコ・パークによると、2020年は初頭から新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変。4、5月は「緊急事態宣言」による移動の自粛などで閉鎖を余儀なくされ、GW期間の利用者は236人と激減した。
 しかし、屋外の遊びであるキャンプは比較的「3密」にならないとの見方から、昨年のGWはコロナ前に並ぶ2364人に回復。今年も2368人が訪れた。職員の赤司煕(ひろむ)さん(25)は「今月は特に土曜の予約が大半の区画で埋まっている」と話す。
 日本オートキャンプ協会(東京)によると、近年は、多くのメディアで自宅近郊でのキャンプが取り上げられた。日常生活でキャンプ道具を使う「おうちキャンプ」などの言葉も生み出され「キャンプに行きたい」という気持ちが醸成されたという。家族連れだけではなく、1人でのソロキャンプも増えており、子どもの手が離れた父親など、シニア層が訪れるケースも増えている。
 赤司さんは「オンシーズンの夏場も、もうすぐ。レンタル品がそろっており、手ぶらでもキャンプ可能。初心者も安心して楽しめる。自然の景色を楽しみながら非日常的な時間を過ごしてはいかが」と来場を呼びかけている。
 問い合わせはエコ・パーク(電0957.65.7056)


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