ジェネリックの日医工、私的整理と投資ファンド出資受け入れ

 ジェネリック医薬品(後発薬)大手の日医工(富山市)は13日、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請し、さらに、投資ファンドから最大200億円の出資を受け入れることも発表した。同社は製造過程における法令違反などが発覚し製品の約4割が生産停止に追い込まれており、今期決算で1,000億円以上の赤字を計上している。

政投銀やメガバンク出資のファンドから支援見通し

 法令違反で事業継続に暗雲が立ち込めている日医工が13日、外部からの支援をベースに事業見直しに乗り出す。13日、同社は事業再生ADRを申請し、国が認定する第三者機関の調整で、取引金融機関と債権カットや事業再生計画について協議し経営再建を図ると発表した。同時に、日本政策投資銀行やメガバンクが出資するファンドから最大200億円の出資を受け入れる。

 日医工は昨年、生産する多くのジェネリック薬の生産工程が、国の承認手順と異なる違法な状況だったとして富山県から業務停止命令を受け、現在も約4割の製品を生産できない状況が続いており業績が急激に悪化している。この日発表した2022年3月期連結決算は、最終利益が1,048億円の赤字だった。

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