「戦争回避のために働かないといけないし核の脅威がよくわかったと話してくれた」EUミシェル大統領と面会の被爆者

EU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領が広島の平和公園を訪れ、「世界のリーダーは歴史を理解し、平和のために正しい結論を出すことを願う」とする声明を発表しました。

EUのミシェル大統領は原爆資料館を視察したあと、原爆慰霊碑に献花しました。

ミシェル大統領はロシアのウクライナ侵攻について、「恥ずべきことに、許しがたいことに、核兵器の使用に言及すらしている」と非難しました。さらに、「世界全体で核のリスクを危険なまでに高めている」と述べました。

EUミシェル大統領
「世界のリーダーたちは歴史を理解し、世界の平和、安全保障のために正しい結論を出すことを願っている」

RCC
RCC

このあと広島の被爆者と非公開で面会し、体験を聞きました。

面会した被爆者小倉桂子さん
「(ミシェル大統領は)ますます私たちは戦争回避のために働かないといけないし、ここに来て核の脅威がよくわかったと、そう話してくれた」

RCC
RCC

大統領の広島訪問は今回が初めてです。

ミシェルEU大統領声明の主な内容は以下の通り。※現場での通訳による。

私たちは核軍縮と軍備管理のための、具体的なルールや国際制度がある。世界の安全保障を守るため、それらを守り評価しなければならない。

ただ、こうしている間にも世界の安全保障は脅かされている。核兵器国家であり、国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアが主権国家であるウクライナを攻撃している。恥ずべきことに許しがたいことに、核兵器の使用に言及すらしている。

そのことは欧州の安全保障を揺るがしているだけでなく、世界全体で核のリスクを危険なまでに高めている。また、日本の隣国である北朝鮮は、違法で挑発的なミサイル実験を繰り返している。それにより緊張が高まり、安全が脅かされている。

差し迫った危険があるからこそ、平和とルールに基づく国際秩序に立脚したパートナーシップ、EUと日本の様なパートナーシップが非常に重要であり、不可欠。

昨日、東京で岸田総理とお会いし、ともに共通の価値、原則、民主主義的な価値を再確認した。

また私たちは完全かつ検証可能で不可逆的な北朝鮮の核兵器の廃絶を支持している。そして軍縮や不拡散など、安全保障に関する防衛を強化することで合意した。

私たちはまたイランとの国際合意、いわゆる包括的共同作業計画を維持すべく、たゆみない努力をし続ける。これはイランが核兵器を手にすることをできなくするもの。

私たち世代の義務や、今ある核軍縮や核不拡散の規範を強化し、普遍的なものとすること。本日、ここ、日本の総理大臣の故郷であるこの場所に立って、欧州と日本が絆でむすばれていることを実感する。

だから世界大戦による首都破壊を経験した欧州と日本が二度と同じことが起こらないようにするため、強く決意していること、これは驚くに当たらない」

※以上英語で、続いて、フランス語で話す。

「1人の個人の経験の中で、忘れがたいひと時が必ず訪れるものだ。

今回の平和資料館の訪問は私にとって、将来、忘れることのない、私の記憶に深く深く残るものだ。

私はここで非常に深い感動を覚えている。実際、この苦しみ、悲劇、悲惨な状況を経験した子どもの顔、男女の顔に非常に私は心が揺れている。肉体にとって、このような苦しみをした経験に触れることが出来、私にとって忘れがたい思い出となる。

この悲惨な状況は人間ができる最悪のことを示している。

地球上にいるすべての人間はこの人類の歴史に触れることができ、それを持って将来を勇気と力強さをもって見つめることができることを心から願っている。

特に世界のリーダーたちはこの歴史に触れて、この歴史を理解し、世界の平和、安全保障のために、正しい結論ができることを願っている。

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