ウクライナから京都市に避難してきたキーウ大4年のオレクシューク・ロクソラーナさん(22)が13日、受け入れ先の龍谷大(京都市伏見区)を訪れた。留学生として日本語を学ぶといい、「困難な時に助けてもらい、感謝している。京都では普通に笑って、友人と遊べるような普通の生活がしたい」と語り、ロシアの軍事侵攻で奪われた日常への思いを吐露した。
ロクソラーナさんはウクライナ西部テルノピリの出身。キーウ大の学生寮に住み、日本語を学んでいたが、ロシアが侵攻した2月下旬、ポーランド西部の親戚宅に身を寄せた。言語があまり通じない中、同様にウクライナから避難してきた子どもを支援するボランティアをしていたという。
龍谷大には2021年度にも交換留学生として在籍したが、新型コロナウイルス禍で来日できなかった。今回、大学から受け入れの打診を受けて5日に単身、京都へ。留学生寮で暮らし、キーウ大のオンライン授業と並行して、龍谷大で日本語を学ぶ。
将来の目標は翻訳者で、「日本とウクライナの文化関係を発展させたい」との思いを抱く。ただ、両親と離れることに迷いもあったと明かし、「会いたい。戦争が早く終わり、ウクライナに帰りたい」と目に涙を浮かべた。親や友人に危険が及ばないか不安で毎日メッセージを送っているという。
ロクソラーナさんの留学期間は1年間だが、延長も可能。龍谷大は学費や家賃を免除し、月8万円の奨学金を給付する。京都市や民間団体でつくる支援ネットワークはこの日、生活支度金10万円を手渡した。
市によると、市内に滞在するウクライナからの避難者は15人(13日現在)いる。