ベトナム人に矢掛の魅力伝えたい 大学生の溝手さん 案内冊子作る

自ら作製したベトナム語版の案内冊子を手にする溝手さん

 岡山県内に多く暮らすベトナム人に宿場町・矢掛の魅力を伝えようと、矢掛高(矢掛町)出身の大学生がベトナム語版の案内冊子を作った。歴史ある町並みの魅力や近年出店が相次ぐおしゃれなカフェなどを紹介。カラフルでポップなデザインも自ら手掛け、町内外の店舗や観光施設で無料配布している。

 同高を昨春卒業し、現在は神田外語大(千葉市)の2年生でベトナム語を学ぶ溝手悠太さん(19)。高校時代、通学で利用していた井原線にベトナム人が目立つのに気付き、関心を抱くようになったという。

 冊子はA4判、12ページ。最近オープンした飲食店など6店を取り上げ、お薦めの品やこだわりをアピールするほか、注文方法やマナーも説明している。ベトナム語の校正は同じ大学の留学生に協力してもらった。製本代はアルバイトで捻出し、700冊仕上げた。

 手にした町内在住の技能実習生ダウ・スアン・フンさん(25)は「分かりやすく便利なガイドだと思う。活用して矢掛散策を楽しみたい」と喜ぶ。

 溝手さんは「ベトナムの人たちに少しでも矢掛の良さを知ってもらえれば」と話している。

 町などによると、町内に住むベトナム人はこの10年間で15人から154人(4月1日現在)に急増。県内全体では、外国人3万1313人(2020年12月末現在)のうち33%に当たる1万368人を占め、出身国別で最多となっている。

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