自動車税と固定資産税は「クレジット払い」か「キャッシュレス決済」どっちがお得?手数料がかかる場合も

例年、4月末から5月頃、みなさんのお手元に「自動車税」と「固定資産税」の納付書が届きます。

毎年のこととわかってはいるものの、この二つの納税金額は、連休中に緩んでいた財布の紐を結び直さなきゃ……とドキッとさせられるくらいの金額ではないでしょうか。

納税は銀行や郵便局だけではなく、コンビニでも支払いができるため、非常に便利になりました。最近では、決済方法の進歩によってコンビニにすら行くことなく、自宅で24時間支払いを行うことも可能になりました。

今回は、自動車税と固定資産税を支払うときに、お得なポイントの受け取り方と、支払いの際の注意点を解説していきます。


クレジット払いが得か? キャッシュレス決済が得か?

自宅に届いた納付書を使って、自動車税・固定資産税を支払う方法は以下の通りです。

金融機関の窓口やコンビニ店頭での決済と、ネットを利用した自宅での決済の違いは、「現金」を利用するか否かと、納税証明書が手に入るか否か、そして決済ポイントの有無です。

まず「納税証明書」についての注意点です。

自動車税……以前は車検の際に提出が必要だった納税証明書は、現在、納付情報システムが整備されているため不要。ただし、納付情報の反映には10日程度かかるため、直近で車検を予定している場合、納税証明書が手に入る「窓口・店頭」で納付をする必要がある。

固定資産税……上記同様、直近で不動産物件の売却手続きを予定している場合などは、「窓口・店頭」での決済が望ましい。

直近で車検や売買等の予定がなければ、自宅での決済は有効な手段で、非常に楽です。納付し忘れも防ぐことができるでしょう。

その際、クレジットカードやスマホ決済サービスを利用すると、ポイントの付与で得と考えられますが、いくつか気を付けたいポイントがあります。

クレジットカード払いの注意点

自動車税や固定資産税などの税金の納付に関しては、各自治体ごとに対応状況が異なります。お住いの自治体がクレジットカード払いに対応をしているかどうか、事前に確認が必要です。

そして、クレジットカードで支払う際には手数料が発生します。 東京都を例にとると、以下の通り。

仮に、固定資産税が 15万2,000円 だったとします。その場合、クレジットカード決済手数料は1,445円(税抜1,314円)になります。

その際、利用したクレジットカードのポイント還元率が、1.0%だったとします。

15万2,000円×1.0%=1,520ポイント

ポイント付与1,520ー手数料1,314円=実質206円分

このポイントを大きいと思うか、小さいと思うかは人それぞれだと思いますが、「わざわざ銀行やコンビニまで行かずに、自宅で決済できて楽」 という目的ならば、なんら問題はないはずです。

ただ、「決済ポイントで得をしたい」という目的があるなら、それほどの大きなインパクトは求められない方法です。

そして、仮に普段使っているクレジットカードのポイント還元率が0.5%だったとするならば、ポイント付与760ー手数料1,314円=実質ー554円になることにも注意が必要です。

何を優先するのか、その目的に合わせて検討をしてください。

キャッシュレス払いの注意点

2022年5月時点、自動車税、固定資産税の支払いに対応をしているキャッシュレス決済サービスは、

LINE PAY
Pay Pay
au PAY

上記の3つです。 例えば、楽天ペイなど、全てのPayサービスが対象になっているわけではありません。

そして「PayPay」では、2022年4月からの請求書払い(納付書のバーコードを読み取っての支払い。自動車税や固定資産税も該当)にポイントの付与が無くなりました。

昨年までは、とりあえずPayPayで払っておけば楽だし得、と考えることもできましたが、今年からは違います。

よって、クレジットカード払いの時と同様、自宅決済ができる利便性に重きを置くのか、積極的にポイントの付与を目指すのか。その目的によって、支払い方法の選択肢が変わってくるでしょう。

おすすめの支払い方法は?

では現在、「自動車税」「固定資産税」を支払うのに、どのような方法で払うと効果的なのか。主要な決済方法でどのくらいの還元を受けられるのか、一覧にしました。

「税金を支払う」という理由で、新たにクレジットカードの契約をするほどのメリットは求め難いのが現状です。つまり現在、ご自身がメインで使っているカードや、携帯電話キャリアに応じて、少しでも得ができる方法を探ってみるのがよいでしょう。

上記の中では、「au Pay」 での支払いは、決済ポイントを受け取ることができるのが魅力的です。携帯電話がauキャリアでなければ使えないサービスではなく、その他のPayサービスと同様に使えるアプリです。受け取れるポイントはPontaポイントになります。

また、自動車税はまだしも、固定資産税の支払いは10万円前後になることが多いため、nanacoやWAONで決済をする場合には、チャージ上限を気にする必要があるでしょう。


そもそも銀行やコンビニに行くことなく、自宅で納税ができる部分だけでも、相当なメリットだと感じます。またクレジットカードを利用するのは、多少の手数料の負担はあるものの、「お金が出ていくタイミングを遅らせる」機能をメリットと捉えることもできます。

いずれにしても、還元率の大小だけが損得の基準にはなりませんが、ご自身にとってのメリットがどの部分にあるか、考えてみる材料になれば幸いです。

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