オーディオ名門オンキヨーホームエンターテイメントが破産

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 オンキヨーホームエンターテイメント(株)(TSR企業コード:576419524、法人番号:3120001154326、東大阪市川俣1-1-41、設立2010(平成22)年10月、資本金1億円、林亨社長)は5月13日、大阪地裁へ破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には小松陽一郎弁護士(小松法律特許事務所、大阪市北区中之島2-2-2)が選任された。
 負債総額は債権者約500名に対し31億5160万円。

 1946年9月に「大阪電気音響」として創業した老舗音響機器メーカー。高品質を売りに「ONKYO」ブランドとして浸透し、日本を代表する音響機器メーカーのひとつとして知られた。1992年3月期には売上高511億6285万円を計上した。その後、オーディオ機器市場の低迷から業績不振に陥ったが、ホームシアター関連機器へ注力するなどして持ち直し、2004年12月にジャスダック市場に上場。2010年10月には会社分割により持株会社体制に移行した。
 しかし、スマートフォンの普及や音楽鑑賞スタイルの変化など取り巻く環境が悪化。売上低迷による経営不振が続くなか、主力のホームAV事業の譲渡を模索したが、計画は頓挫し、生産を縮小・停止して経営計画の練り直しに取り組んだ。だが、「新型コロナウイルス」の感染拡大以降、販売がさらに低迷し、生産活動も停滞した。
 2020年3月期末には延滞債務が約65億円にまで膨らみ債務超過を脱せず、2021年8月1日をもって上場廃止となった。
 その後、債務超過の解消と遅延債務の完済を目指し、主力事業を譲渡して事業継続を目指していたが、資金繰り悪化から2022年3月には子会社2社が破産を申請。当社は、ホームAV事業の譲渡に伴う手数料収入を得ながら事業継続していたが、経営も限界に達した。

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