国内最古の中華料理店「聘珍樓横濱本店」一時閉店 横浜中華街の老舗、移転で15日

15日で閉店する聘珍樓横濱本店=横浜市中区

 横浜中華街の老舗「聘珍樓横濱本店」(横浜市中区)が移転のため、15日に閉店する。創業の地で災禍や戦禍を乗り越え、多くの客の舌を楽しませ続け138年。新店舗の場所や開店時期は未定で、ファンからは「聘珍樓あっての中華街。戻ってきてほしい」と早くも待望の声が上がっている。

 聘珍樓によると、同社は1884年に創業。「中華街大通り」の中ほどにある同所に店舗を構えた。現存する国内最古の中華料理店としても知られる。

 横浜中華街発展会協同組合が今年2月に発売した設立50周年記念誌「横濵中華街 生業(なりわい)と文化」などによると、かつて小さな商店街だった中華街の中で聘珍樓は戦前、200人で宴会ができる大型店だった。

 1923年の関東大震災と第2次世界大戦で店舗が被害を受け、規模を縮小した時期もあったが、苦難を乗り越え、本場伝統の味を守り続けてきた。

 同社は今年3月、「横濱本店を一旦(いったん)クローズする」とホームページで発表。担当者は取材に「前々から移転を予定していたが、新型コロナウイルスの打撃もあり、閉店を2年ほど早めた」と説明する。

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