〈月間・金正恩総書記の活動〉核戦力の「第2の使命」を言明 2022年4月 /  史上最大規模の軍事パレードで演説

朝鮮で金日成主席生誕110周年と朝鮮人民革命軍創建90周年の二つの大きな名節を迎えた4月。金日成広場で行われた盛大な慶祝行事を通じて朝鮮の気概を内外に誇示した。

元帥服をまとって

朝鮮人民革命軍創建90周年慶祝閲兵式が行われた25日、幹部壇に姿を現した金正恩総書記は「元帥服」と呼ばれる純白の軍服を身にまとっていた。総書記が元帥服をまとって公の場に登場するのは今回が初めてだ。

金正恩総書記が祝賀演説をした(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

今回の閲兵式の意義について論じた労働新聞5月3日付の政論は、総書記の元帥服姿を初めて拝んだ衝撃と感激を伝え、元帥服が「百戦百勝の象徴」だと強調した。

1932年4月25日、反日人民遊撃隊は金日成主席の指導の下、中国東北部の安図県で創建された。日帝を駆逐して民族解放を成就し、ひいてはすべての階級的抑圧と搾取を一掃して、社会主義を建設することを目的とする革命武力の創建から90年。熾烈を極めた祖国解放戦争(朝鮮戦争)や敵対勢力の孤立圧殺策動による銃声なき戦争、幾重もの試練を乗り越えながら朝鮮は、「百戦百勝」の歴史を刻んできた。

90年の節目を迎えた閲兵式では、朝鮮の革命武力の過去と現在を示す兵器が広場を次々と横断した。

3月24日に試射が行われた大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲―17」型が登場した(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

金正恩時代の10年間で朝鮮の自衛的国防力は、めざましい発展を遂げてきた。核弾頭を搭載できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、極超音速ミサイルなど、核大国間の軍事技術競争の主対象となっている最先端兵器をわずか数年の間に矢継ぎ早に開発し、自国の自主権と尊厳を守り、朝鮮半島と地域の平和、経済発展の確固たる担保となる国防力を強化してきた。

さらに今回、金正恩総書記が閲兵式の演説で核戦力の取り扱いに関して示した立場は、内外の注目を集めた。

総書記は、激変する政治・軍事情勢と今後のあらゆる危機に備えて、特にわが国家が保有している核戦力を最大の速度でいっそう強化・発展させるための措置を引き続き講じていくと表明。核戦力の基本的使命は戦争を抑止することだが、この地でわれわれが決して望まない状況が醸成される場合にまでわれわれの核が戦争防止という一つの使命にだけ束縛されているわけにはいかないとしながら、いかなる勢力であれわが国家の根本的利益を侵奪しようとするならば、われわれの核戦力は第二の使命を断固果たさざるを得ないと述べた。

労働新聞はこれを「朝鮮の核戦力の基本使命に関する強靭胆大な新しい決断」だと評している。

安寧と将来を保証

金正恩総書記は、閲兵式を指揮した朝鮮人民軍指揮メンバーと会った席上で、国防力強化に関する立場を再度表明した。

総書記は、力と力が激突し、引き続き強くなってこそ自己の尊厳と権益を守ることができる現在の世界で、誰も止められない恐るべき攻撃力、圧倒的な軍事力はわが国家と人民の安寧と子孫万代の将来を保証する生命線だと指摘。敵対勢力によって持続し、増大する核脅威を包括するすべての危険な試みと威嚇的行動を、必要であれば先制的に、徹底的に制圧、粉砕するために、わが革命武力の絶対的優勢を確固と維持し、絶えず向上させるという党中央の確たる意志を披歴するとともに、軍指揮官が党の軍建設方向と総路線をしっかりとらえて革命武力発展の新たな段階を果断に切り開かなければならないと強調した。

© 株式会社朝鮮新報社