「恋に無駄口」小栗有以が演じるヒロインは…「女の子が見ていて一番入り込みやすいんじゃないかな」

男子高校生仲良し4人組が、限りある青春を無駄口をたたきながら過ごす日々を描いたドラマ「恋に無駄口」(テレビ朝日ほか)。自ら立ち上げた無形文化遺産代行保存部(通称・ムダ部)で、仁科(奥野壮)、マヤ(水沢林太郎)、シロ(小西詠斗)、葵(藤岡真威人)の4人は、日々くだらないテーマを真面目に検証しSNSにアップしていましたが、回が進むごとに、仁科、葵、シロ、そして第5話ではマヤに、それぞれ恋の予感が訪れています。

特に気になるのは、仁科とヒロイン・叶依麻の関係。無駄部が「食パンをくわえて走って誰かにぶつかると、恋に落ちるのか」というテーマを検証していたところで正面からぶつかるという、出会いこそ最悪だった2人。しかし、次第にお互いの良さに気付いていき、第4話では “神”とあがめる漫画家・姫乃るん先生のサイン会に2人で行くことに。なかなか素直になれない2人が、だんだんと距離を縮めているところが大きな見どころとなっています。

仁科と依麻がどうなっていくかますます気になるところですが、ここではヒロイン・叶依麻を演じるAKB48・小栗有以さんのインタビューをお届け。本作で連続ドラマのヒロイン役に初挑戦となった小栗さん。「恋に無駄口」の現場だから見つけた気づきや“叶依麻”というヒロインの魅力を語ってくださいました。さらに、原作者・福山リョウコさんとの対面で感じたことも明らかに!

ムダ部の4人は「バランスがすごくいいなって思います」

――出演が決まった際に感じたことを教えてください。

「学園ドラマは小さい頃からずっと見てきて、少女漫画が原作の学園ものも好きだったので、ずっとやってみたいなと思っていて。AKB48で出演した『マジムリ学園』(日本テレビ系)では強い女の子だったんですけど、その時は女子高校生の中でのお話だったので、今回はキュンとするような役を務めることになって、すごくうれしかったです」

――AKB48のメンバーやファンの方からの反響はありましたか?

「みんな『うれしい!』とか『見るね!』と言ってくれたり、『どんなシーンがあるの?』みたいな、すごい妄想もしてくれていて(笑)。すごく楽しみにしてくれていますね」

――撮影現場の雰囲気についても教えていただきたいです。

「キャストの皆さんが同世代の方が多いので、話していてすごく楽しいです。私自身、グループ以外で(ドラマの)お仕事を初めてさせていただいたんですけど、AKB48以外の同年代の方ってなかなか会わないので、すごく新鮮で。スタッフさん同士もみんなすごく仲いいので、ずっと笑いが絶えない明るい現場なんです」

――主演の奥野さんをはじめ、同世代の方から感じることはありますか?

「そうですね…今回のドラマではキュンとしたり、いろいろな感情になる役なんですけど、自分の想像だったり、いろいろなドラマを見返して勉強して(撮影に)臨んだんです。演技の経験も多いわけではないので、奥野さんやムダ部の皆さんがアドバイスしあっているのを見て、それがすてきだなと思いつつ、私も『あ、こうした方がいいんだな』『ここはこうなんだ』と勝手に吸収させていただいています」

――実は以前、ムダ部の皆さんにもインタビューhttps://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1509499/させていただいた際に、「仲が深まってムダ部化してきている」と伺ったんです(笑)。小栗さんから見てムダ部の4人はどのように映っていますか?

「みんなキャラが違うので、それぞれの色が出ているなって思います。奥野さんは周りを見ながら『こうした方がいいんじゃないか』って自分の意見を伝えていて、すごいなと思います。水沢さんも、毎回言ってることが違うっていうくらいアドリブをされるんですよ! たぶん頭の回転がすごく速くて、それがさすがだなと思って。こんなに短時間でいろいろなことを考えて、その場に合わせたことを言えるんだとすごく勉強になります。一番年上の詠斗さんも、落ち着いてみんなのことを見守っている感じがすごく安心感があるというか。真威人さんは、見た目はすごく格好いいんですけど、実はすごい天然で純粋なんです(笑)。しゃべるとかわいらしい部分がたくさんあって、みんなにもツッコまれたりして、その場の空気がすごいぱっと明るくなるんですよ。みんなのバランスがすごくいいなって思います」

――「マジムリ学園」から久々のドラマ現場とのことですが、大変なことはありますか?

「現場が朝早くから夜遅くまでやっていて、体力的には疲れると思うんですけど、毎回新鮮な気持ちなのと、現場の皆さんに会えるのが楽しみなので、そこは全然大変ではなくて。難しいなと思うのは、AKB48以外でのドラマのヒロインが初めてだったので、キュンとするシーンで、正解はないけどどう表現したらいいのかと考えることがありました。難しかったですけど、そういう気持ちを考えるのも楽しかったです」

「一緒に盛り上げてくださっている」――原作者と会って感じたこと

――ちなみに、原作は読まれましたか?

「もちろん読みました。キュンキュンするだけじゃなくて、ムダ部の会話だったり、すごく細かいところまで笑える部分がたくさんあって、漫画ってこんなに面白かったんだと思いました」

――原作者の福山リョウコさんが昨日ちょうど現場にいらっしゃったんですよね。

「そうなんです! 現場に来てくださって、サインと依麻のイラスト入りのメッセージが入った原作をプレゼントしてくださって。初めてお会いして、『ありがとうございます』と直接ごあいさつができました」

――実際にお話などはされましたか?

「ちょっと緊張しちゃって、あまりしゃべれなかったんです…(笑)。でも、撮影現場の映像をすごく集中して見られていて、この作品を一緒に盛り上げてくださっているんだなと感じてすごくうれしかったです」

ヒロイン・依麻を演じる中で感じた“共通点”とは?

――あらためて、今回演じられるに叶依麻という役について教えてください。

「依麻は、恋愛経験はないけど『ありがとう』がちゃんと言えて、食べ物も残さず礼儀正しい。でも漫画がすごく好きすぎて集中しちゃうという、女の子が見ていて『自分がこうだったら』って一番入り込みやすい役なんじゃないかなと思うんです。周りの女の子はちょっと変わった子が多いけど、だからこそ見ている人が入り込みやすい役だと思ったので、それをどう表現するか、ナチュラルさを意識して演じました」

――個人的に、仁科に対して「大っ嫌い!」と強烈な一言を放つ依麻は小栗さんのイメージとは正反対のような女の子だなと感じていました。

「そうなんですよね。確かにちょっとツンデレなところとか、素直になれない部分があるんですけど、その中でも自分に似てるなと思う部分があって」

――どんなところでしょう?

「親に対して素直に言えないところは『分かるな』って共感できます。あと、『ありがとう』を大事にしているところは、私も『大切にしている言葉は何ですか?』と聞かれた時に『ありがとうです』と言っているので、『あ、一緒だ!』と思って。細かいところで共通点を見つけられたので(役に)入りやすかったです。ただ、おっしゃっていたように、仁科を突き離しちゃったりするセリフはあんまり言い慣れていなかったので、言い慣れないセリフをどう言うかは頑張りました(笑)」

――小栗さんから見て、仁科のようなキャラクターはどう思いますか?

「仁科も、食べ物を大事にしたり『ありがとう』をちゃんと言える子が好きっていう設定なんですけど、仁科みたいな“普通のことがちゃんとできている男性”っていいなと思います。すごい真面目でなかなか素直になれないけど、ところどころで好きという感情が少しあふれちゃったりするのがすごくかわいいなって思うんです」

――原作や台本を読んでいても、お互い素直になれなくて「言わないんかい!」みたいな、もどかしい場面もありますよね。

「そうですね。漫画でも、裏で『なんだこのかわいさは!』と仁科が言ってくれているんですけど、本人の前では言わないところも愛くるしいし、青春だなって思います」

――ちなみに、もし小栗さんが同じ立場だったときに、感情が顔に出てしまうタイプですか?

「うーん…私も表情が表に出ちゃうけど、ツンデレになってしまうかもしれないです(笑)。素直になれない気持ちは、ちょっと分かるなって思いました」

「“女優の小栗有以”もいいなと思ってもらえるように演じ切りたい」

――小栗さんは今年、1st写真集を出されたりと環境がガラッと変わったかなと思うのですが、ご自身ではどのように捉えていますか?

「AKB48として活動していて、『元カレです』とか『根も葉もRumor』で少しずつ今のAKB48を好きになってもらえたり注目してもらえているかなと思うんです。この勢いのままもっともっと盛り上げていきたいなと思います。自分自身ももっと大きくなっていきたいなと思うので、写真集ももちろん、演技経験もグループ以外では今回のお仕事が初めてなので、このドラマをきっかけに、“女優の小栗有以”もいいなと思ってもらえるように、最後まで依麻を演じ切りたいです。もっともっといろいろなことに挑戦して、自分の活動の幅を広げていけたらなと思っています」

――それでは最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。

「このドラマは、とにかくムダ部の仲の良さがすごくて、4人を見ているとクスッと笑えて自然と笑顔になれると思いますし、その中でキュンキュンしたり、切なくなったり、もどかしくなったりと、いろいろな気持ちを楽しんで見ていただきたいです。ムダ部4人の性格がそれぞれ違いますけど、そのバランスの良さだったり、個性豊かなキャラクターの女の子たちにも注目してほしいなと思います。私にとっても初めてがたくさん詰まった作品になっているので、私の初めてもぜひご覧ください」

――今後もドラマ楽しみにしております。ありがとうございました!

【プロフィール】

小栗有以(おぐり ゆい)
2001年12月26日生まれ。東京都出身。山羊座。14年、「AKB48」チーム8として活動をスタート。46枚目シングル「ハイテンション」で初選抜メンバー入り、52枚目シングル「Teacher Teacher」ではセンターを務めた。また、21年4月より「めざましテレビ」(フジテレビ系)のイマドキガールに就任。22年1月、自身1st写真集「君と出逢った日から」を発売し、オリコン写真集BOOKランキング1位を獲得。

【番組情報】

「恋に無駄口」
テレビ朝日
土曜 深夜2:30〜3:00 ※5月14日は放送休止
ABCテレビ
日曜 午後11:55〜深夜0:25
※放送終了後、TVer、GYAO!にて見逃し配信あり

取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/蓮尾美智子

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