改正道交法施行「一定違反歴高齢運転手 実車試験義務化」 長崎県内2千人前後が対象

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75歳以上の運転免許更新のイメージ

 改正道交法が13日施行され、75歳以上で、過去3年間に一定の違反歴がある高齢ドライバーに対し運転技能検査(実車試験)が義務化された。ブレーキとアクセルを踏み間違えた際に急加速を防ぐ機能などを備えた「安全運転サポート車(サポカー)」の限定免許制度もスタート。長崎県内で本年度の同検査の対象者は2千人前後になる見通しだ。
 大村市古賀島町の運転免許試験場で9日、報道機関を対象に県警主催の同検査体験会があった。検査項目は一時停止や段差乗り上げができるかなど五つ。普通免許の検査であれば100点満点中70点以上で合格。記者も緊張しながらハンドルを握った。
 「指示器を早く切ってしまう癖がありますね」。監督官の指摘が耳に痛い。結果は80点。「一応合格です」と告げられ、ホッとしたが、もし自分が75歳以上の高齢者だったらと想像すると「難関」に思えた。
 県警によると、県内の75歳以上の免許保持者は3月末時点で約6万6千人。自主返納する人が一定いるものの、高齢化の進展で増加傾向にある。一方、75歳以上が過失責任が重い「第1当事者」となった事故は昨年277件発生。65歳以上にまで広げると768件となり、総件数の27.6%を占める。
 高齢ドライバーによる事故対策として導入された同検査。過去3年間で信号無視、通行区分違反、速度超過など計11種類のいずれかの違反をした人が対象となる。免許有効期限の半年前から自動車学校や運転免許試験場などで何度でも受検できるが、期日までに合格できなければ免許は失効する。ただ、失効した人向けに原付き免許や小型特殊免許への移行プランもある。
 12日、長崎運転免許センター(長崎市)で更新手続きを終えた同市大浦町の六倉英二さん(82)は20年弱、無事故なのが自慢だが、「次の検査は合格できないかもしれない。更新は今回が最後」と話す。
 高齢者向けに推奨されるサポカーだが、受け止め方はさまざま。同市田手原町の都々木覚さん(70)は定年退職後に自動で停止する車に買い替えたこともあり「いい制度」と評価。同市三川町の川上健次さん(71)は「ある年齢を境に運転はきっぱりやめて、宅配サービスなどを利用して生活する方向にした方がよいのでは」と考える。
 改正法施行に向け、同市高尾町の本原自動車学校は検査用コースの作成や指導員の勉強会など準備を進めてきた。同校は「検査の予約が来たらすぐに対応できるようにしたい」。県警運転免許管理課は「対象者には同居家族からも受検を促してほしい」と早期予約を呼びかけている。

報道機関向けに開催された体験会=大村市