「福重の豊かな歴史知って」 史跡説明板 10年で33基設置 大村・地区まちづくり委

説明板設置を担当している観光イベントまちづくり部会の中野部会長(右)と上野さん=大村市弥勒寺町

 長崎県大村市の福重地区まちづくり活性化委員会(朝長英美会長)は、地域の名所旧跡のPRや掘り起こしにつなげようと、2012年度から史跡説明板の設置に取り組んでいる。今年は新たに3基を設置し合計33基となり、関係者は「地域外の人はもちろん、地元の子どもたちに豊かな歴史を知ってほしい」と話している。
 説明文などを担当した福重郷土史同好会会長の上野盛夫さんによると、福重地区は大村の中でも古くから開けていた土地の一つで、石仏や城跡などの史跡が数多く残っている。
 地域住民らでつくる同委員会ではこれまで、約800年前に制作されたとみられる線刻石仏や太平洋戦争時に建設された飛行場跡などに説明板を設置。地元の小中学生による地域学習のほか、市内外の人が史跡巡りをする際などに活用されているという。
 今年新たに設置したのは「矢上の祇園牛頭(ごず)天王」(福重町)「如法寺跡と草場の経筒三基」(草場町)「弥勒寺跡と熊野権現」(弥勒寺町)の3カ所。このうち弥勒寺は1574年にキリシタンにより破壊された禅宗寺院で、現在でも町名として残っている。
 同委員会観光イベントまちづくり部会の中野一・部会長は「福重地区には歴史のほかにも、フルーツなど魅力が盛りだくさん。ぜひ多くの人に足を運んでもらえるようになれば」、上野さんは「今後も説明板を設置していくとともに、史跡の保存活動にも力を入れたい」と話した。
 説明板の設置場所などは上野さんのウェブサイト「福重ホームページ」で紹介している。


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