福井にUターン女性が地産地消の総菜店オープン 越前市の空きビルを改修し「日のごはん」

地産地消の総菜・弁当店「日のごはん」を開業した河村亜紀さん=福井県越前市幸町

 福井県越前市中心市街地の空きビルを改修した地産地消の総菜・弁当製造販売店「日のごはん」(同市幸町)がオープンした。経営するのは兵庫県から2021年、同市にUターンした河村亜紀さん(34)。2階にはレンタルスペースも整備しており、交流の場を提供する。

 市民になじみのある日野川と日野山にちなんだ店名には、「日常の一コマにある存在に」との願いも込めた。地産地消に貢献しようと、食材は県内生産者による無農薬栽培の野菜を積極的に使用。鶏肉の塩麹焼き、福地鶏の煮卵、菜の花とキャベツのごまあえといった総菜やおにぎり、日替わり弁当が並ぶ。

 「生産者と消費者のつながりをつくり、地元の食材の需要を増やしていきたい」と河村さん。6月からは急速冷凍して鮮度を保った総菜の全国配送を目指す。3大アレルゲン素材不使用のカラメルナッツや焼き菓子も販売している。

 5月から稼働させる約14畳のレンタルスペースでは、イベント利用などを広く受け入れ、来店者への情報発信に取り組む。自主事業としては調味料作りのワークショップ開催を予定している。

 改修費は市の開業支援制度による補助を活用。店舗スタッフには、子育て中の主婦らアルバイト5人を、働ける曜日や時間帯に応じて雇用した。

 河村さんは「地元の食と合わせて、人とつながる場や新しい働き方を提供し、今より暮らしが豊かになる人が一人でも増えたらうれしい」と話している。

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 河村さんは21年秋、福井県に特化したクラウドファンディングサービス「ミラカナ」を活用し、事業資金515万円を調達した。

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