横浜・戸塚に古民家レストラン 障害者の活躍の場にも フレンチ中心に本格料理 「自分へのご褒美が社会貢献に」

客席40席でオープンする母屋のレストラン(ショコラボ提供)

 全国初という福祉のチョコレート工房ショコラボ(横浜市都筑区)が17日、同市戸塚区名瀬町の古民家でレストランをオープンする。その名も地元で代々続く「久右衛門(きゅうえもん)邸」。日本の昔話に出てくるような自然あふれる里山に抱かれた場所で、障害者が健常者とともに就労スキルを磨きながら「自分へのご褒美が社会貢献になるレストラン」を目指す。

 障害の有無や年齢にかかわらず共生するコミュニティーをつくろうと、一般社団法人「AOH」を設立した伊藤紀幸代表が、就労継続支援B型事業所の「ショコラボ」を立ち上げて今年で10年。レストランは、この間ずっと温めてきたアイデアだった。

 久右衛門邸所有者の全面協力もあり、3年がかりでリニューアル。接客される側もする側も、安心してゆったり過ごせるよう耐震補強工事を施し、車いすでアクセスできるバリアフリー設計とした。

 邸内の敷地は約2千平方メートルで、幕末の1836年、天保年間に建てられた母屋をメインのレストランに活用。このほか納屋カフェ、全国の福祉事業所の逸品を集める予定のセレクトショップ、事務所の全4棟を一体でB型事業所として構成する。

 当面、客席数は40席でスタートし、障害者3人を含む10人でおもてなしする。料理はフレンチを中心に和洋折衷の本格的なもので、価格帯はランチ4千~5千円、ディナー1万2千~1万3千円。サービス管理責任者の岩渕裕季さん(37)は「自分へのご褒美においしい食事をしに来たら、実は福祉施設で社会貢献にもなっていたと気づくような感じにしたい」と話している。

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