ニワトリ小屋から高齢のイリオモテヤマネコ保護 病気治療し森へ帰る

 【西表島=竹富】環境省西表自然保護官事務所は4月21日、竹富町西表島で保護したイリオモテヤマネコを島内の森林で放獣したと発表した。

 同事務所によると、ヤマネコは3月13日朝に島西部の西表小中学校内のニワトリ飼育小屋で捕獲された。個体は高齢の雄で、保護時には感染症により皮膚が荒れるなどの症状が見られたため、NPO法人・どうぶつたちの病院沖縄の獣医師らによる治療などを経て放獣された。

 この個体は、昨年4月に島西部の干立集落で、衰弱しているのを保護されたヤマネコと同じ個体。右耳に切れ込みが複数あり、片目という特徴がある。

 同事務所は「高齢の個体で、うまく餌が採れずにニワトリを狙っていた可能性がある。今後も集落近くに出る可能性があるので、似た特徴を持つヤマネコを見つけた際には、西表野生生物保護センターまで連絡してほしい」と呼び掛けている。

(西銘研志郎)

© 株式会社琉球新報社