ニューヒーローの誕生―。プロ野球(NPB)、埼玉西武ライオンズの滝澤夏央選手(18、関根学園高出)が13日、育成選手から支配下選手契約され、1軍に初昇格。同日夜の楽天戦に2番、遊撃手で即先発出場し、プロ初安打初得点をマークすると、翌14日の楽天戦にも2番、遊撃手で先発出場し、七回裏二死一、三塁で右中間を破る同点三塁打。相手のバッテリーミスで決勝のホームを踏み、2日連続でヒーローのお立ち台に上がった。
本拠地のベルーナドームが「なつお」一色に包まれた。鮮烈なデビュー戦に続いて、2試合連続安打を放ち、さらにはプロ初打点となる同点三塁打、決勝のホームイン。5―4で逆転勝利後、連日のお立ち台で「最高です。本当に信じられない気持ちです」と初々しい笑顔を浮かべた。
六回の安打は先発左腕、早川隆久投手(23)から、七回の三塁打はリリーフの安樂智大投手(25)から放ち前進守備の外野手の間を深々と破った。さらには次打者の時にワンバウンドの投球を相手捕手がファンブルする間に一気に本塁を陥れた。
デビュー戦は緊張感を見せながらも堂々のプレー。2打席凡退の後、3打席目に二塁内野安打と相手の悪送球が絡み二進。続く3番外崎修汰選手(29)の左前安打で、スタート良く一気に生還した。
守備では併殺と二盗のリクエスト制度(ビデオ判定)に絡み、いずれも西武側に判定が覆るラッキーボーイの働き。チームに活気と勢いを呼び込んだ。
試合は4―2で勝利し、決勝ホームランの中村剛也選手(38)と共にヒーローインタービューを受けた。初安打について「きれいなヒットではなかったけれど、全力で走った結果がヒットにつながったと思う。これからも泥くさくプレーし、チームの勝利に貢献したい」と声を弾ませた。
辻発彦監督(63)は「きょう(13日)使おうと決めていた。守れるし、足もある。これから大きな壁がたくさんあると思うが、小さな体でも1軍でできることを子どもたちのためにも証明してほしい」と期待を込めて話した。