良い服 長く大切に使う必要性確認 岡山でSDGs連続シンポ第2回

浴衣を再活用する取り組みなどが報告され、衣服の大量廃棄を改める必要性を確認した連続シンポジウム

 持続可能で活力ある地域づくりを考える連続シンポジウム「SDGs地域課題を探る」(山陽新聞社主催)の今年第2回が14日、「みんなに優しいファッション」をテーマに、山陽新聞社さん太ホール(岡山市北区柳町)で開かれた。衣服の大量生産や大量廃棄を改め、良いものを長く大切に使う必要性を確認した。

 大島康弘・ベティスミス代表取締役社長、難波正義・岡山大名誉教授、正宗幸子・倉敷芸術科学大非常勤講師の3人がパネリストを務めた。

 大島さんは、ジーンズ製造の端材を小物の製品にしたり、規格外の商品をエプロンやバッグにして販売したりする取り組みを説明。「原材料価格の高騰もあり、ものを大事にすることが必要。これからは循環を前提とした生産の仕組みが課題となる」と呼び掛けた。

 難波さんは、スーパーで売られている貝類に、洗濯の際などに流れ出たとみられる合成繊維の糸くずや、微小なプラスチック類が含まれていたことを確認したと報告。「地球の将来のために、プラスチックのことなどを考えていかなければならない」と訴えた。

 正宗さんは、衣服の色や素材、デザインが個人の骨格などに合うかに注目し、服を選ぶことの重要性を解説。「不要な服を買わずにすみ、長く着られるものを購入することができる。学生の間に、自分に似合うものを知っておくと良いだろう」と話した。

 会場からも発言があり、着なくなった浴衣を動きやすいホテルの制服やベストに再活用する取り組み、不要な制服を割安で販売する事業の紹介などがあった。

 岡山県内のNPOなどのネットワーク組織「SDGsネットワークおかやま」の石原達也会長と、岡山一郎・山陽新聞社論説主幹が進行役を務めた。新型コロナ感染防止のため、会場の定員は40人に絞り、特設サイトでライブ配信した。1カ月程度視聴できる。昨年始まったシンポジウムは今年、新シリーズとして計4回の開催を予定している。

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