相模原・中央区の当麻遺跡 縄文時代中期の竪穴住居跡公開 環状集落の全体像浮き彫り

発掘された住居跡などを説明する調査員=相模原市中央区の当麻遺跡

 相模原市と玉川文化財研究所(横浜市神奈川区)は14日、相模原市中央区の花ケ谷戸地区で行っている当麻(たいま)遺跡の発掘調査を一般公開した。今回公開した第3地点第4次調査では、縄文時代中期の竪穴住居跡約50軒が見つかり、居住域が中央広場を円形に囲む環状集落の全体像が浮き彫りになった。

 同遺跡の調査は、国道129号線の建設に伴って始まった。第3地点の調査は1974年から行われ、土地区画整理事業に伴い昨年4月から第4次調査を実施していた。第3地点での竪穴住居跡は今回を含めて約200軒発掘されている。

 この日、会場を訪れた約200人を前に調査員が市内最大級の住居跡が出てきたことなどを説明。遺構を紹介するコーナーでは全国的にも珍しいカエルのような文様の釣手土器を展示していた。

 訪れた横須賀市の会社員高橋謙さん(53)は「その場で出てきた遺構を見て、当時の暮らしぶりを想像するのは楽しい」と話した。

 今後はさらに深く掘り、旧石器時代の遺構の調査を行うという。第3地点で発掘された土器などは、市教育委員会が管理する。

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