福井城址周辺を散策、大藩の歴史実感 福井県福井市でイベント【ふくい城巡り】

福井城址の天守台跡でナビゲーター(手前)から歴史やエピソードを聞く参加者=5月14日、福井県福井市大手3丁目

 「続日本100名城」に選ばれている福井城の魅力に触れるイベント「福井城下まち歩き」が5月14日、福井県福井市中心部であった。歴史愛好家や観光団体職員ら20人がナビゲーターと一緒に城址(じょうし)周辺を歩き、江戸幕府を支えた大藩の歴史などに造詣を深めた。

 「ふくい城巡りプロジェクト」実行委員会が、2024年春の北陸新幹線県内開業も見据えて開催。年度内に数回実施する企画の第1弾で、県内の観光名所に詳しい松田多佳子さんがナビゲーターを務めた。

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 スタート地点の北の庄城址と柴田神社では、松田典起(のりゆき)宮司が城と神社の成り立ちを解説。「柴田勝家公がこの地に平城を建てたことが、福井市中心部のまちづくりの基本となった」と述べた。

 一行は、河道を利用して造られた百間堀がかつてあった地点などを巡りながら福井城址へ。ナビゲーターの松田さんは輪郭式と呼ばれる城の縄張り、石垣が4万個の笏谷石で造られていること、外堀の総延長が約5キロだったことなどを丁寧に説明し「6年の歳月をかけて造った壮大な城だった」と語った。

 天守台跡では、松田さんが「天守の高さは30メートル。(隣にある)県庁舎と同じくらいだった」と話すと、参加者はその大きさを想像していた。藩主の登城に使われた山里口御門をくぐり、御廊下橋を渡った後、幕末の福井藩主松平慶永(春嶽)が祭られている福井神社を見学した。

 参加した福井市の74歳女性は「名所の由来や深みのあるエピソードを知り、福井っていいところだなと思った。もっと勉強して友人にも広めたい」と喜んでいた。

 次回は6月4日。福井城址や養浩館庭園、舎人門を巡るコースを予定している。

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