故宮﨑康平氏 妻の和子さん、口述筆記などで創作支え/田中さん、古典楽器通じ活動 島原半島文化賞受賞

古川市長(左)から表彰状を受け取る田中さん=島原文化会館

 島原半島の文化振興に貢献した個人や団体をたたえる第40回島原半島文化賞に、民謡「島原の子守唄」や著作「まぼろしの邪馬台国」などで知られる島原市出身の作家、故宮﨑康平氏(1917~80年)の妻で、創作活動を支えた和子さん(92)=同市=と、古典楽器を通じた地域文化の発展に尽力した田中麗子さん(80)=南島原市=の2人が選ばれた。
 和子さんは58年、結婚。32歳で失明した康平氏の創作活動を口述筆記などで支えた。67年には邪馬台国が島原にあったと論じる同作が刊行され、第1回吉川英治文化賞を夫婦で受賞している。
 田中さんは75年、和楽器「箏(こと)」や中国の古典楽器「二胡(にこ)」などの演奏団体を設立。半島各地の福祉施設での訪問演奏などの活動が評価された。
 14日、島原市城内1丁目の島原文化会館で授賞式があり、島原半島文化賞運営委員会委員長の古川隆三郎市長が表彰状を授与。和子さんは代理出席だった。田中さんは「常に目標を持って、毎日楽しくこれからも精進したい」と謝辞を述べた。


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