ホテル枕水の運営会社、破産開始決定 負債総額約5億円

ホテル枕水を運営する、山口県長門市の枕水館は、山口地裁から破産開始決定を受けた。

初代は造り酒屋で、七代目が1831年に温泉宿として開業。山口県で最も古い伝統のある長門湯本温泉の中でも、歴史ある温泉旅館の一つ。明治政府の中枢政治家で長州三筆のひとりが投宿した際に、音信川のせせらぎから「枕水亭」と名付けたという。直径約3メートルの、高野槇を使ったかけ流しの桶風呂が名物。

東京商工リサーチによると、中国縦貫道の開通後には関西地区からの団体旅行客、修学旅行需要が増加。1987年に温泉旅館の増築を行い収容人数を200名としたことで、翌1988年12月期は売上高約4億8,000万円をあげていた。バブル崩壊後は旅行客が減少し、団体利用が激減。信用保証協会の代位弁済を受けるなど、厳しい資金繰りが続いていた。負債総額は約5億円。

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