基地のない平和な沖縄の実現誓う 復帰50年、那覇で5.15県民大会

 「基地のない島実現まで闘う」―。5.15平和とくらしを守る県民大会(主催・5.15平和行進実行委員会)が15日午前、那覇市久茂地の那覇文化芸術劇場「なはーと」で開かれ、約1000人(主催者発表)が参加した。

 実行委共同代表の上原邦夫沖教組委員長は「『基地の中に沖縄がある』と言われてきたが、復帰50年がたったいまも変わらない」と撤去されない米軍基地、絶えない米軍関連の事件・事故が発生する現状を指摘。台湾海峡を巡る日米中の各国の動きに触れ「沖縄を再び戦場にしないために連帯して頑張ろう」と訴えた。

 フォーラムの藤本泰成共同代表は、万国津梁を求めた琉球王国時代から近代日本の植民地主義と沖縄蔑視、沖縄戦と米国統治の歴史を振り返るとともに、日本復帰後も集中する米軍基地の現状に「復帰とは、基地のない沖縄を求める運動だったはずだ」と指摘。「日本社会には植民地主義が依然根強く残る。沖縄のアイデンティティーを再生させるべく最後まで闘う」と述べた。

 登壇者からは日米の軍事一体化と強化、依然低い県民所得、沖縄経済の脆弱さなど県民を取り巻く現状の訴えが続いた。

 大会は最後に、「50年ののち『復帰して良かった』と心から喜びあえる日」を求め、基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界実現に力を尽くすことを誓う大会宣言を満場の拍手で採択し、参加者でガンバロー三唱した。

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