スーパーに並ぶ食料品、ファストフード、ガソリンやクリーニング代など私たちの暮らしに関わるさまざまなモノやサービスの値上げが続いています。
光熱費にしてもしかりで、液化天然ガスや石炭など発電に使う燃料価格が上昇しているため、大手電力会社10社のうち半数の5社が6月の電気料金を値上げすると発表しました。残りの5社はすでに価格転嫁の上限に達しているため5月から据え置きとなっています。
ライフラインと呼ばれる、電気、ガス、水道は料金が高いからと言って「使わない」訳にはいかないものです。しかしこの値上げラッシュの中、無頓着に使っていては思わぬ金額になってしまうこともあります。
今回は電気、ガス、水道代を少しでも節約できる、基本的な暮らし方をご紹介します。
電気代を節約したい!
契約する電力会社の見直し
2016年の電力自由化から様々な業種が電力会社を立ち上げています。契約する電力会社の見直しで節約になるポイントは、セット割。自分が利用している携帯電話の会社がやっている電力会社や、ガソリンをよく使う人であればガソリンスタンドを運営している電力会社というように、日頃支出するものとセットにすることで割引になることがあります。契約する電力会社を検討してみましょう。
ただし最近は、撤退する新電力会社も増えていますので、ある程度母体が大きなところで検討するほうがよいでしょう。
契約するプランの見直し
例えば東京電力の従量電灯Bのように、同時に使えるアンペア数から基本料金を決めるプランの場合、契約アンペア数に余裕があるのであれば減らして基本料金を安くする方法もあります。
オール電化の家庭であれば、深夜料金が安くなるプランへの変更もお得です。電力会社によって深夜料金が安くなる時間帯に違いがあるところもあるので、自分の生活時間帯にあった電力会社とプランを探してみましょう。
消費電力の高い家電を意識する
節電というと「待機電力カット」と、使っていない家電の電源を抜くことが一番のように取り上げられますが、待機電力は家庭の全消費電力のうちの6%程度。その中で、例えばテレビの電源に絞ってみると、そこからさらに数%です。全く無意味とは言いませんが、節電、電気代の節約という意味では効果は高くありません。
それよりも意識したいのは消費電力の高い家電の使い方です。湯沸かしポット、アイロン、ドライヤー、ホットプレートなど熱を作り出すものが比較的多くの電力を消費します。どれも長い時間使うものではありませんが、それでも使う時間をより短くすることが大切です。
もちろんエアコンや冷蔵庫のように長い時間使うものも無駄な電力を使わないように心がけましょう。冷蔵庫であれば、開閉する回数が増えるほど電力を消費します。夏は冷たい飲み物を朝のうちに水筒に入れておき、日中は水筒から飲むようにすると開閉回数を減らせます。
ガス代を節約したい!
ガスを使う家庭はお風呂と調理がポイントになってきます。
お風呂の入り方に注意
湯船にお湯をためる場合は、沸かし直し、追い焚きをしないで済む入り方をしましょう。家族で続けて入り、お湯が冷めないようにすることが肝心です。どうしても冷めてしまった場合は、追い焚きをするよりも、熱いお湯を足すほうが熱効率は良いです。
次に入る人まで時間が開いてしまう場合は、浴槽の蓋をすることで多少ですが温度が下がるのを防げます。
予熱調理の利用
長い時間をかけて煮込むものなどは予熱調理も取り入れていきましょう。予熱調理とは火を止めて鍋に蓋をしたまま放置しておく方法です。火を止めても鍋の温度はすぐに下がらないので、予熱で食材に熱を加えることもできます。
例えばカレーや肉じゃがの食材を15分下茹でしたいときは、7分で火を止めてあとは予熱調理にしてみてください。(時間は食材の切り方や鍋の厚みによって変わってきます)
電子レンジの併用を考える
ガス火でやるものを電子レンジにするのは、電気代がかかるだけと思われるかもしれません。でも、熱量のトータルとして電子レンジで加熱するほうが効率的に熱が入るものもあります。
電子レンジが得意なのは固形物なので、じゃがいもを茹でたいときはお湯で茹でるよりも電子レンジで加熱したほうが少ないエネルギーで加熱できます。
水道代を節約したい!
湯船かシャワーかどっちが節約?
お風呂の湯船にお湯を張って入るのとシャワーで済ませるのは、どちらが節約になるか。これは目安として4人以上であれば湯船、それ以下であればシャワーと言われています。湯船は160リットルから200リットルほど使い、シャワーは1分間に12リットルの水が流れます。
しかしこれも人によるところで、シャワーも流しっぱなしにしては無駄になります。また湯船のお湯は残り湯を掃除や洗濯に使うことで再利用でき、結果的に節約できるのです。
水の二次利用をする
前述のとおりお風呂の残り湯を洗濯に使うことで水道代を節約できます。ただしお風呂の残り湯には人の垢など汚れが入っています。洗濯機で使う場合も、洗濯と1度目のすすぎまでにして、2度目のすすぎは綺麗な水を使いましょう。
パスタや野菜の茹で汁など、調理中に使った水も、食器やフライパンなどの調理器具を洗うときの予洗いに使うことで二次利用できます。
今回ご紹介した方法はどれも基本的なことで、これらを意識して生活することで、少しずつ節約できていくものです。光熱費の節約は、まさに「塵も積もれば山となる」なのです。そして身についてしまえば、どれもさほど難しいことではありません。ぜひお試しください。