伊勢原市が「鎌倉殿」特設サイト 地元ゆかりの登場人物や文化財紹介

伊勢原市の石田地区を本拠に活躍した石田次郎為久が、「粟津の戦い」で木曽義仲を討つ場面を描いた江戸時代の浮世絵(伊勢原市提供)

 放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にあわせ、神奈川県伊勢原市は地域の中世史を紹介する特設サイト「『鎌倉殿』と伊勢原の文化財」を開設した。貴族の世から武士の世へ移り変わる激動期に活躍した伊勢原ゆかりの武士や寺社、文化財などを解説しているほか、出来事をまとめた年表も掲載。担当者は「市民はもちろん、全国の大河ファンにも見てほしい」と期待を寄せる。

 市内には源頼朝が田畑を寄進した大山寺(同市大山)のほか、頼朝や妻の北条政子も参詣した日向薬師(同市日向)などの名所が残る。また、源義経率いる木曽義仲討伐軍の一員として義仲を討ち取ったとされる石田次郎為久は同市石田地区を本拠とし、北条氏と結びつきを深めた糟屋有季などゆかりの武士もいる。

 サイトでは、朝廷や幕府の実力者と出来事をまとめた年表に加え、ドラマに登場する人物や市内の神社仏閣を文章や写真、市所蔵の浮世絵で解説。さらに、新東名高速道路の建設中に発掘された中世の遺跡など文化財も紹介している。

 サイトを監修し、学芸員の資格を持つ市教育総務課の葉山貴史さんは「市内には『鎌倉殿』にまつわるエピソードがたくさんある。子どもから大人、市民から全国の大河ファンまで、伊勢原の中世史の魅力を伝えていきたい」と力を込めた。

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