サッカー天皇杯21日開幕 MD長崎が22日、V長崎来月登場

MD長崎のキーマンとなるMF古川(中央)。サイドから個人技で仕掛ける(写真左) 昨年、天皇杯でのプロ初ゴールをきっかけにブレークしたV長崎の植中=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 サッカーの第102回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、長崎新聞社など共催)は47都道府県代表が出そろって出場88チームが決定した。21日に開幕し、トーナメント戦で競う。決勝は例年より2カ月半ほど早く、10月16日に横浜市の日産スタジアムで行われる。
 長崎県代表のMD長崎は、22日午後1時から長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場で行われる1回戦で、島根県代表のFC神楽しまねと対戦。J2のV・ファーレン長崎は、6月1日午後7時から諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で行われる2回戦から登場する。県勢2チームを紹介する。

◎V長崎/若手らアピールの場

 V長崎は近年トーナメント戦に強く、天皇杯は2019年に県勢過去最高の4強に進出。コロナ禍だった20年は、プロはJ1~J3の上位計4チームのみ参加する特別ルールとなったため出場できなかったが、21年も4回戦(16強)まで勝ち上がった。今年は順当に行けば3回戦でJ1のFC東京に挑戦する組み合わせとなっている。
 リーグ戦と並行して行われるため、普段は出番の少ない選手がスタメンに名を連ねることも多く、貴重なアピールの場となっている。昨年はトラスタで行われた3回戦で、FW植中がプロ初ゴールを決めてJ1札幌から勝利。植中はその後、リーグ戦でも出場機会を得るようになって一気にブレークした。
 現役高校生JリーガーのMF安部、地元出身のMF五月田、元コロンビア代表のFWイバルボらのプレーに期待。勝ち進めば、現在は負傷離脱中のMF笠柳にもチャンスが巡ってきそうだ。

◎MD長崎/7年で6度目の出場

 2016年の初出場以降、天皇杯切符を逃したのは1度しかなく、これで4年連続6度目の出場。17、20年は2回戦に進出した。天皇杯を1年間の最大目標に設定し、選手は仕事やプライベートに折り合いをつけながら練習を積んでいる。
 中盤に人数を割くことで攻撃時はテンポ良くボールを動かし、守備時は連動してプレスをかけるスタイルを実現している。県予選決勝で決勝ゴールを決めたMF古川は初速の鋭さと深い切り返しが持ち味。主将のGK渕上が最後方から小まめに指示を出して統率する。
 1回戦の相手は日本フットボールリーグ(JFL)に参戦するFC神楽しまね(旧松江シティFC)。長崎県リーグで戦うMD長崎にとっては2カテゴリーも違う「格上」との対戦となる。勝てば前回準優勝のJ2大分と当たる組み合わせに入っており、渕上は「大分とやれるのを楽しみにしている」と下克上を狙う。


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