バスティアニーニ、転倒やマシントラブル発生の週末も、レースでは「自信があった」/MotoGP第7戦フランスGP決勝トップ3コメント

 5月15日、MotoGP第7戦フランスGPの決勝レースがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、MotoGPクラスで優勝したエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)、2位のジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3位のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が会見に出席。レースを振り返った。

■エネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)/決勝:優勝

「この週末は本当に予想外のことがあった。3回もクラッシュしたし、昨日はバイクが壊れたからね。でも、レースが始まったら上位を獲得する自信があったんだ」

「レース中、ジャックとペッコ(フランセスコ・バニャイア)がすごく速かったけど、僕のペースは(彼らに)かなり近いものだった。落ち着いてまずはオーバーテイクが可能かどうかを考えようと思い、そしてジャック(・ミラー)をオーバーテイクした。何周目だったのか覚えていないんだけど」

「ペッコはとても速くて、彼をかわすのは難しかったね。彼のブレーキングはとても深く、強かったから。ただ、前半セクションに関しては僕が速かったから、ダンロップシケイン(3、4コーナー)で彼を抜いたんだ。そしてレースに勝った。ドゥカティは、このサーキットでとても強い。僕とジャック、ペッコはそれを証明した。こういうレースを続けることができるかどうか。ただ、時々問題が発生する。問題あると、なかなか上には行けない」

「作戦というのはなかったよ。自分のペースがどのくらいかわからなかったから。それに、僕にとってはペッコから学ぶことも重要だったんだ。この週末、二つのポイントで(ペッコが)僕より速かった。ラインを少し変えると、この差を埋めることができた」

「(次戦イタリアGPの)ムジェロはみんなにとってとても重要だけど、特にイタリア人ライダーにとってはそうだね。ムジェロではまだ表彰台に上がったことがないから、挑戦したい。でもまだ(それについて何か述べるのは)早い。今はこの週末を楽しまないとね」

■ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)/決勝:2位

「レースは自分のペースを決めていた。すごくいいスタートを切って前に出たんだけど、1コーナーを通過するときに数人が少し不穏な動きをしていて、ラインをブロックした。そして自分のペースで走ったけど、3周目以降は0.3秒くらい遅れてしまった」

「(アレックス・)リンスが1コーナーを突っ切ったときは何が起こったのかわからなかったよ。僕はただ2コーナーから3コーナーに切り返した。正直怖かったけど、アレックスがそこで転倒したのはわかった。それは彼がみんなの安全を守るために全力でスローダウンしたからだ。だから、彼には感謝しないといけないと思う」

「いいレースだったよ。彼ら(バスティアニーニ、バニャイア)を追うことはできなかったけど、さっきも言ったように自分のペースに集中して力を出すことができた」

「この“リトル・ボス”(バスティアニーニ)は2回以上も優勝している。彼はいつもレース終盤で速いんだ。うまく走っているし、タイヤの扱いがうまい。彼は今日、完ぺきなレースをしたと思う。ミスしなかった」

「ペッコはいいレースをしていた。いいペースだと思ったので前に行かせた。7コーナー立ち上がりで僕の前に立ちふさがって、アウト側から8コーナーでパスしようとしてきたんだ。僕はいつもインサイドを突くから、イン側をブロックしていた。ただ、僕は彼の邪魔をしたくなかった。ここは一緒に行こうと思い、(後ろを)引き離そうと思ったんだ」

「彼は前に出て自分のペースを維持していて、3周くらいきっちりタイムを出した。でもそのあと、特に8コーナー、そして最終コーナーでも少し、タイヤの右側に苦戦しているのがわかった。それから、エネアが僕をかわして、そしてペッコの攻略にとりかかっていった。僕はエネアがペッコを抜いたのを見ていた。ちょっとした取っ組み合いみたいだったね」

「でも、確かにペッコは最終セクターでちょっと攻めすぎていたね。彼の転倒は残念だよ。表彰台を獲得して、ドゥカティのワン・ツー・スリーフィニッシュができたはずなのに。でも、今日は実現しなかった」

■アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)/決勝:3位

「かなり大変だったよ。僕は速かったけど、ジャックや序盤のミルをオーバーテイクできるほどではなかった。今日は路面がとても滑りやすかった。実は転倒しないように走るのがすごく大変だったんだ。速く走るというのが難しかった。今日はクラッシュしなかったというのがカギだったね」

「ジャックに接近しようとするたび、フロントがかなり動くんだ。ダッシュボードを見ると、フロントタイヤが高温になっていた。だから、彼の0.5秒くらい後ろをキープすることにしたんだ」

「そしてレース終盤に(コースサイドの)大画面でファビオ(・クアルタラロ)がかなり近づいているのを見た。旋回で彼がうまく走っているのを見ていたし、この週末、映像で彼を研究もしていた。彼は旋回がいいんだ。スピードを乗せて走っている。だから、2メートルでもワイドになれば、インサイドに飛び込んでコーナリングで僕をかわすだろうとわかっていた。残り10周はミスをしないように走り、1分32秒0をキープするのがとても大変だったよ。でも最後には報われたから、とてもうれしい」

「ジャックに接近するたびにタイヤの内圧に問題があったから、オーバーテイクはできなかった。僕たちのブレーキングはとても似ている。だから、ファビオが僕と同じ問題を抱えているとわかっていた。ファビオは旋回で僕より少しいい走りをするけど、ブレーキングでは僕の方がいい。だから僕に分があると思っていた。ブレーキを遅らせてミスをしなければ、表彰台獲得はできるだろうってね」

「(今季については)何が起こっているのか説明ができない。今季、とても楽しんでいる。夢に見たバイクがある。このバイクを作るのはとても大変だったと思う。オフシーズンでは、アプリリアはかなりバイクを改善し、夢に描いていたバイクになった。今、チャンピオンシップではファビオと4ポイント差にいて、チームタイトルもリードしている」

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