「何の役割も果たせない」金正恩氏、コロナ対策で幹部ら叱責

北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会政治局は15日、前日に続いて新型コロナウイルス対策の非常協議会を招集。金正恩総書記はその席上、国民への医薬品供給が停滞しているとして、内閣と保健医療部門の担当者、中央検察所長らを厳しく批判した。朝鮮中央通信が伝えた。

金正恩氏は「国家が調達する医薬品が薬局を通じて住民に適時に、正確に行き届いていないのは、その直接的実行者である内閣と保健医療部門の活動家が現在の危機状況に対する認識を正しく持てず、人民への献身的奉仕精神を口で唱えるだけで積極的に乗り出していないことに起因する」としながら、内閣と保健医療部門の無責任な活動態度と組織・実行力について強く批判したという。

また、「党政策の実行を法的に強力に保証すべき司法、検察部門が医薬品保障に関連する行政命令が迅速かつ正確に施行されるように法的監視と統制をまともに行えずにおり、全国的に医薬品取扱および販売で現れているいろいろな否定的傾向を正すことができずにいる」と指摘。

続けて「厳しい時局にさえ何の責任も、呵責も感じず、何の役割も果たせない中央検察所所長の職務怠業、職務怠慢行為を辛辣に叱責した」という。

金正恩氏は、これらの問題点を正す対策を講じるとともに、「人民軍(北朝鮮軍)の軍医部門の強力な力量を投入して平壌市内の医薬品供給活動を即時安定させること」に関する党中央軍事委員会の特別命令を下達した。

金正恩氏は協議会の終了後、平壌市内の複数の薬局を視察した。

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