英中銀総裁、物価高は歴史的な試練と認識 対応の遅れ否定

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[ロンドン 16日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は16日、足元で進むインフレについて、中銀が1997年に独立した地位を得て以来最大の試練になっていると述べた。ただ、中銀が手をこまねいていたとの見方は否定した。

ベイリー総裁は、下院財務委員会で「現状には無論、全く満足してないと強調しておきたい。状況は悪い」と説明した。

同委のメル・ストライド委員長(保守党)は、中銀が「居眠り運転していた」という指摘がよくあると述べ、別の議員は物価高騰に対し中銀は「なすすべがない」かのように見えると批判した。

ベイリー氏は、中銀が異なる対応を取るべきだったかとの問いに対し「それが可能だったとは思わない。ウクライナ戦争を予見することはできなかった上、新型コロナウイルスの感染拡大という別の要因にも対処しており、これは中国に影響を与えている」と応じた。

英中銀は昨年12月、主要国の中銀として新型コロナウイルス流行以降で初めて利上げを決定。ただ、インフレはなお加速しており、4月に40年ぶりの上昇率となる9.1%に達したと見込まれている。中銀は今月、政策金利を0.25%ポイント引き上げ、2009年以来の金利水準となる1%にした。

総裁は「現況は極めて困難」とし、「中銀の金融政策の枠組みは過去25年で最大の試練に直面している」と指摘。「ウクライナでの戦争を受け食料価格が上昇しており、英国だけでなく途上国にとっても大きな懸念事項になっている」とも述べた。

中銀のソーンダース金融政策委員は、金利を早期に引き上げていれば国民のインフレ期待が現状よりやや抑えられたかもしれないが、足元のインフレ率にはほとんど影響しなかったと指摘。8月に退任する同委員は今月の会合で他の2人の委員とともに0.50%ポイントの利上げを主張した。