県高校総体前特集 バスケットボール女子(4) 挑戦者として連覇を目指す明豊

バスケットボールの夏の高校王者を決める全国高校総体(インターハイ)に向けて、県予選がおよそ1カ月後に控える。大会を前に3月の県高校新人大会で上位となった実力校の現在地を探った。

女子の第4回は、昨年の県高校総体の覇者・明豊。

■昨年度の主な成績■

県高校新人大会 ベスト4

全国高校選手権県予選 準優勝

県高校総体 優勝

昨夏は12年ぶりのインターハイ出場を果たし、初戦を突破した明豊。全国高校選手権県予選は決勝で敗れたものの、新チーム始動後の県高校新人大会ではベスト4と上位常連校として定着してきたが、「スタイルや方向性など、まだ定まっていないのが現実」と杉山真裕実監督。

県新人大会から南九州四県対校選手権大会(南九)までの公式戦で経験値を上げる計画だったが、南九の県予選では新型コロナウイルス感染症で試合を棄権するチームが続出し、途中で大会自体が中止となりチーム内にはやり場のない悔しさも広がった。「(戦いの)舞台にさえ上がれない」ということを目の当たりにした選手たちは、学年を超えたチームワークの良さを武器に団結し、2年連続インターハイ出場へと気持ちを切り替えている。

県高校総体が苦しい戦いになることは間違いない。頂点に立つためには守備力が最重要課題となる。得点力の高い相手に対し、「ディフェンスで圧倒してロースコアに持ち込むしかない。シュート本数をいかに減らせるかが勝負となる」(杉山監督)。新チーム始動から毎日続けている朝練に加えて、対戦が予想される上位校の試合映像を丁寧に分析しながらイメージトレーニングをするなど、コロナ禍でできる限りの努力によって課題への取り組みを強化している。

杉山監督は「厳しい状況なのは分かっているけど、選手たちには『会場を沸かせよう』と話している。たくさんの人から応援される、かっこいいチームになってほしい」と語った。今回は挑戦者として挑む構えだ。「まず倒すべきライバルは自分自身」と、個々の気持ちやチームワークの成長を期待する。追われる側から追う側になった今、全国の景色を知る3年生を中心に気持ちを一つにして、再び頂点を目指す。

(黒木ゆか)

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