「自動通話録音機」設置世帯 被害報告なし ニセ電話詐欺、長崎県警アンケート

 ニセ電話詐欺被害などを防止するため、長崎県警が主に高齢者世帯に無料で貸し出している「自動通話録音機」について、県警は16日、設置世帯を対象に実施したアンケート結果を公表。今回も詐欺被害の報告はなかった。
 県警は2015年、同録音機の貸し出しを開始。16年以降、毎年、設置世帯の中からランダムに抽出しアンケートをしている。現在約650台を貸し出しており、今回は148世帯から回答があった。16年以降、設置世帯から被害報告は出ていない。
 録音機は電話着信時に発信者に対し「録音される」と警告音声が流れる。アンケート結果によると、警告音声が流れた段階で電話が切られた「撃退率」は約27%。設置した後、不審電話が「かかってこない」と答えた人は約59%、「かかってくるが設置前よりも減った」は約40%で被害防止効果が高かった。
 設置世帯からは「安心して電話に出ることができるようになった」などの感想が県警に寄せられているという。県警生活安全企画課は「被害防止に効果があり、今後も普及を図っていく」としている。貸し出しの問い合わせは県内各署の生活安全担当係へ。
 県内の4月末現在のニセ電話詐欺被害の認知件数は38件(前年同月比27件増)、被害総額は約1億2千万円(同約8900万円増)と深刻化している。


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