完全復元「国産第1号機械式冷凍車」 60年前の雰囲気再現 イベントで展示

物流センターの竣工式に合わせ展示された第1号機械式冷凍車=諫早市、ナガサキロジスティクス

 長崎県諫早市飯盛町の冷蔵倉庫・輸送業、ナガサキロジスティクス(阿部浩明社長)に14日、完全復元された国産第1号機械式冷凍車の展示があった。同社の物流センター竣工(しゅんこう)式に合わせたイベント。レトロな雰囲気の内外装が、訪れた人の目を楽しませた。
 グループ親会社の福岡運輸(福岡市、富永泰輔社長)は、全国で初めて冷凍車を走らせた企業として知られる。展示された冷凍車は、1960年製の冷凍機と61年製のシャシーを使用し、2006年に復元。国立科学博物館の重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)第100号に登録されている。

レトロな運転席の雰囲気を楽しむ子どもたち

 式典後、近くの子どもたちが体験乗車や記念撮影を楽しんだ。友人やきょうだいと訪れた市立飯盛東小6年の囲悠聖君(11)は「運転席には3人で乗ったが広々としていた。フロントガラスが前に開くところも昔っぽくて面白い」と笑顔で話した。
 同センターは、冷凍冷蔵庫を中心に運送営業所を併設する物流施設。敷地面積1万5650平方メートル、延べ床面積約4700平方メートルに、脱フロン自然冷媒採用の冷凍機を備える。阿部社長は「県産品を全国に届ける拠点としてだけでなく、社会科見学などを通じ、冷凍冷蔵庫のショールーム化も目指したい」と話した。


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