価格への転嫁、家計に負担も ロシアへの経済制裁で小麦や原油価格が上昇…埼玉経済への影響も懸念

原油価格の上昇の影響も

 日銀が16日発表した4月の国内企業物価指数(2015年平均=100、速報)は、前年同月比10.0%上昇の113.5だった。14カ月連続の上昇で、上昇率は比較可能な1981年以降最大で初の2桁。指数自体も60年の統計開始以降で最高水準だった。ロシアのウクライナ侵攻などに伴う原油や原材料の高騰に加え、円安による輸入価格上昇が影響した。

 記録的な国内企業物価指数の上昇を受けて、埼玉県内経済への影響も懸念されている。ぶぎん地域経済研究所の担当者は現在4~6月期の県内企業経営動向調査を集計中としつつ、「県内企業は加工組立型のウエートが高い。輸出が多く世界経済とリンクしているため部品調達などの課題も重なり、今後の動向が懸念される」と指摘した。

 また、県内企業では食料品の割合も大きいとして、「輸入に頼る小麦など原材料価格の高騰や光熱費、原油価格の上昇の影響を受けやすい」と説明。「食料品メーカーのコストは上がるので、価格への転嫁が進めば家計に負担となることも考えられる」と話し、調査で原材料価格の高騰やウクライナ侵攻によるロシアへの経済制裁が県内企業に与える影響を注視する考えを示した。

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