介護現場の週休3日制を福井県が試験導入 モデル事業所で6月にもスタート

福井県庁=福井市大手3丁目

 介護現場に多様な働き方を取り入れ、人材確保につなげようと福井県は2022年度、週休3日制を試験的に導入する事業をスタートさせる。モデルとなる事業所を公募中で、早ければ6月にも開始する予定。

 介護福祉士の国家試験を実施する公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」は20年度、離職した介護福祉士約4万5千人に復職する場合に最も重視する点を調査した。「職場の雰囲気や人間関係」(21.4%)に次いで、「勤務形態が選べる」(16.4%)が挙がり、「給与水準」(15.6%)を上回った。

 介護現場でも多様な働き方を求める人が増えている一方、県の担当者は「週休3日制に関心はあるが、シフトの組み方などが難しいと考える事業者は多い」と話す。モデル事業所は、外部のコンサルタントの助言を受けながら、選択的週休3日制を導入する。

 3日間休むことで所定労働時間や給与、仕事量が減る「給与減額型」や、1日の労働時間を延ばし1週間の総労働時間や給与、仕事量は変わらない「総労働時間維持型」といった働き方を提示し、希望する職員に導入する。

 実際に運用する中で事業所や職員が感じた効果や課題をまとめ、週休3日制導入に対する県の支援策に反映させる。

 職員が介護に専念するために清掃や事務作業を担う「介護助手」の試験的採用や、運営法人の異なる二つの事業所が連携し研修や人材交流を行うモデル事業所も合わせて公募している。

 福井労働局によると、県内の介護関連職の有効求人倍率は1月で3.93倍と人手不足は続いている。県長寿福祉課の竹内芳隆課長は「多様なワークライフバランスの希望に対応できる労働環境を整え、介護職の魅力向上につなげたい」と話している。

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