視覚障害者の踏切事故から3週間 点字ブロックの重要な役割

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 4月25日、大和郡山市内の踏切で全盲の女性が電車にはねられて亡くなる事故がありました。こうした痛ましい事故を防ぐため何が必要なのか。県視覚障害者福祉協会の辰巳会長に聞きました。

 近鉄郡山駅から徒歩5分の場所にある踏切です。4月25日午後6時過ぎ、踏切を渡っていた全盲の女性が特急列車にはねられ、亡くなる事故がありました。どうすれば事故を防げるのか。

現場に10回以上足を運んでいるという県視覚障害者福祉協会・会長の辰巳壽啓さんです。

視覚障害者は白杖で叩いた際の地面の音や硬さ、足の裏の感覚を頼りに歩いています。そして、地面に設置された点字ブロックは表面の突起によって視覚障害者を安全に誘導する役割を持っています。

辰巳さんは、この踏切の危険な点として点字ブロックの劣化を指摘しました。

4カ所に設けられたブロックは、北西のものは1枚が、南東のものは3枚がはがれていました。亡くなった女性は北西側を歩いていました。

実際に辰巳さんに歩いてもらいました。すると、点字ブロックの横を通り過ぎ…。

県視覚障害者福祉協会 会長・辰巳壽啓さん
「これ、踏切ですね。点字ブロックなかったな?(道路の)真ん中行ったらわからへんねんな。私、分からんと行ったんやね。」

踏切内に侵入してしまいました。辰巳さんは点字ブロックの位置が端にあることや、摩耗し、アスファルトとの区別がつきづらい状態になっていると話します。

そして、交通量の多さも横断する視覚障害者に精神的な影響を与えていると指摘します。

県視覚障害者福祉協会 会長・辰巳壽啓さん
「車の音と踏切の警報器の音を気にしながら渡るので、気持ちとしては緊張しながら渡りました。」

誰もが安心して渡れる踏切になってほしい。そのなかで辰巳さんが県内で理想の踏切と話すのは、近鉄八木西口駅近くのこちらの踏切です。

この踏切は車道と歩道が分かれていて、点字ブロックが遮断棒と並行に敷かれています。そして、さらなる安全性のため辰巳さんが求めるのは、横断歩道や踏切内に設けられた点字ブロック「エスコートゾーン」の設置です。

横断歩道内のエスコートゾーンは設置が進む一方で、踏切内のものはガイドラインが示されておらず、近畿圏では大阪府内の4カ所の設置にとどまっています。辰巳さんは踏切の整備について、県や市町村、鉄道会社で協議してほしいと願いを込めます。

県視覚障害者福祉協会 会長・辰巳壽啓さん
「点字ブロックを足裏や白杖で感じたら、ここはもう安心するゾーンに入ったなと視覚障害者にとっては思うんです。そのような踏切を作っていただくように、県とか鉄道会社に我々の団体としては要望したいと思っています。」

なお、県視覚障害者福祉協会は今月中にも要望書を提出するということです。