ニホンカモシカ2頭受け入れ 四国生まれ、来春の出産目指す 栃木・那須どうぶつ王国

雄のミカゲ(右)、雌のテニア(左)(那須どうぶつ王国提供)

 那須町大島の那須どうぶつ王国はこのほど、国の特別天然記念物のニホンカモシカ2頭を、広島市と高知市の動物園から受け入れた。動物園同士が連携して繁殖に取り組み、個体数の増加を図る。同園がニホンカモシカを飼育するのは初めて。

 2頭は、四国生まれの2歳の雄「ミカゲ」と3歳の雌「テニア」。ニホンカモシカは中国地方を除く本州と四国、九州の一部に生息する日本の固有種。中でも四国産の個体群は本州産に比べ小柄で、体が茶色、角が短いといった特徴があるという。2015年に環境省のレッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」に位置付けられた。

 国特別天然記念物のニホンライチョウなどの飼育にも取り組んできた同園は今回、ニホンカモシカも受け入れることになった。秋の発情期を経て、来春に出産を迎えられることを目指す。一般公開については2頭の状況を見ながら決める。

 四国産のニホンカモシカは20年末の時点で、全国5カ所で17頭が飼育されている。

 佐藤哲也(さとうてつや)園長(65)は「ニホンカモシカは神経質で飼育が難しい。安全に飼育していきたい」と話した。

雄のミカゲ(那須どうぶつ王国提供)
雌のテニア(那須どうぶつ王国提供)

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