小麦粉のかわりに米粉はいかが 価格の高騰で

ことしに入って、何回もお伝えしている値上げのニュース。先月から今月にかけて大手製粉メーカーが次々と小麦粉の値上げを発表。家計へも影響が出ています。

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この状況で今、注目されているのが、お米を砕いた「米粉」

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グルテンフリーで、もちもちした食感が人気を集めています。きょうのテーマは、『小麦粉のかわりに米粉はいかが』。米粉の魅力と課題を取材しました。

まずは小麦粉価格の動向です。

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業界大手のニップン・日清製粉・昭和産業は来月から業務用の小麦粉を25キロあたり最大385円値上げすると発表しています。これを受けて、7月以降、小麦粉を使った商品にも値上げの動きが出ています。

▽フジパンは、パンとお菓子のほぼ全製品を7月出荷分から最大9%の値上げ。▽山崎パンも食パン・菓子パンなど計141品目を7月出荷分から平均7.1%値上げすると発表しました。

そんな中で注目されているのが「米粉」です。米粉を使った商品を提供している店を取材しました。

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広島市・佐伯区の「ジ・アウトレット広島」の中にある「マルコ・ショコラトリー」。ざくざくとした食感と濃厚なカカオの香りが特徴のクランブルショコラを量り売りで買えるチョコレート専門店です。

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人気が急上昇しているのが、米粉を使ったチュロスです。

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marco chocolaterie 花田仁美店長
「多いときだと1日に100本売れたこともあります。主婦の方だと10本買って、みんなで食べてもらったり…」

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この店のチュロスは、もともと小麦粉を使っていましたが、1年前から米粉100%に代えました。

花田仁美店長
「小麦アレルギーの方もいらっしゃるので。あとは、中がもちっと、外がかりっとした印象になるので、ちょっと変えてみました。リピーターの方も増えましたし、小麦アレルギーの方も来てもらえるようになって、売り上げも倍以上になりました」

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森重知里記者
「中がすごくもちもちで、一口食べただけでもけっこう満腹感があります。すごくおいしいです」

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そして、チョコレート専門店ならでは…。ホットチョコレートやチョコアイスで “味変” をすることもできちゃいます。若い女性を中心に人気沸騰中です。

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続いては、広島市西区にある「米粉パン工房 源」。惣菜系からスイーツ系まで毎日、80種類以上ものパンが並ぶこちらのお店。そのほとんどが米粉80%、グルテン20%の割合で作られています。

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増田製粉 増田裕典代表取締役
「しっとりもっちりというのが米パンの特徴ですね。三原市大和町・庄原市・北広島町のお米を使っています」

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特に米粉100%で作られたグルテンフリーの食パンは、わざわざわ山口から買いに来る人もいるそうです。

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増田裕典代表取締役
「高級食パンの影響もあって、しっとりもっちりという食感を求める人も多い」

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これだけ人気でおいしければ、「小麦粉の代わりに米粉を」という日も遠くないかも?! と思いきや、それほど簡単ではなさそうです。

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増田裕典代表取締役
「もともと米粉が小麦粉より1.5倍くらい高く、価格の面はまだまだ難しい部分もあると思うんですけど」

価格が高くなる理由について、日本米粉協会に話を聞きました。

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日本米粉協会 高橋仙一郎アドバイザー
「1つは物流費。出荷価格はほぼ小麦粉に近いんです。ところが、そのあとの物流体系が整っていないということが非常に大きい」

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農水省によると、国内での小麦粉の生産はおよそ460万トン。一方、米粉はここ数年、増えてきているとはいえ、4万トンほどしかありません。生産量が少ない分、輸送費が価格に転嫁されやすくなります。ただ、今後、米粉の需要が伸びて、物流体系が整備されれば、小麦粉との価格差が小さくなるかもしれません。

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高橋仙一郎アドバイザー
「(小麦粉は)価格の高騰を飛び越えて、品薄になるといわれ始めている。今から国内で生産できるものに関心を持って準備しなければならない」

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