生きた証し 戦没画学生遺作展 瀬戸内、絵画や彫刻250点紹介

家族や風景を描いた戦没画学生の作品

 太平洋戦争で亡くなった画学生の作品を集めた「無言館展―戦没画学生 魂のメッセージ」(山陽新聞社など主催)が17日、瀬戸内市牛窓町牛窓の市立美術館で開幕した。家族や風景を題材にした若者たちの絵画などを通じて、命の尊さが伝わってくる。7月10日まで。

 長野県上田市の無言館が所蔵する全国の戦没画学生の遺作・遺品のうち、47人の絵画や彫刻、遺書、スケッチ、写真など計約250点を展観した。笠岡市出身の日本画家・小野竹喬の長男、小野春男さんが端正な筆遣いでナスをあしらった屏風(びょうぶ)絵(複製)、しゃがみ込む妹と木々を優しい色合いで表現した太田章さんの絵画「妹の像」などが目を引く。

 夫婦で訪れた女性(78)=赤磐市=は「戦争で夢を断ち切られた若者たちの生きた証しが感じられ、胸が詰まる。沖縄県が日本復帰から50年を迎え、ロシアのウクライナ侵攻が行われている今だからこそ、平和の大切さをかみしめたい」と話した。

 午前9時~午後5時。月曜休館。入館料は一般800円、65歳以上700円、中学生以下無料。問い合わせは同美術館(0869―34―3130)。

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