大分トリニータ 左サイドに新風吹き込む高畑奎汰

目の覚めるような左足の一発だった。13節千葉戦(4月30日・アウェー)、リーグ戦初先発となった高畑奎汰は、開始15分にクロスボールのこぼれ球に対し、得意のミドルシュートで先制点をたたき込み、3-0の快勝に大きく貢献した。この活躍が認められ、ここまで4試合連続で先発出場している。

今季は開幕前から調子が良く、下平隆宏監督は「開幕からスタメンで使う構想があった」と高畑を評価していたことを明かす。ただ、開幕戦を前に肉離れを起こして離脱、復帰まで時間を要し、4月23日のYBCルヴァンカップ鹿島戦でようやく今季初めて公式戦に出場した。その4日後のリーグ戦で途中出場し、次の千葉戦で先発起用されたのだから、下平監督の期待の高さが分かる。「元々、スタメンで出場できる力がある。(サイドを)アップダウンできるスタミナ、前に出るときのスピードが魅力。ファーストタッチが良く、キックの精度もいい」(下平監督)と左利きのサイドバックの復帰を喜んだ。

好調を維持する高畑奎汰

高畑は常に高いポジションを取ることを意識し、相手の背後に空いたスペースを突き、クロスを狙う。逆サイドの選手が攻撃参加したときは攻め上がるのを控えるが、「僕は攻撃にガシガシいくタイプなんで」と持ち味を最大限に生かすことを考える。

プロ4年目、大分アカデミー育ちの21歳。マイペースで力みのない自然体がゆえに「闘争心が表に出ず、アピール不足が課題」と悩む時期もあったが、自身の特徴を磨き、課題の解消に取り組んだ。1年目は「体づくり」と「守備」という苦手分野に目を向け、2年目は前線への飛び出しやサポートを意識するようになり、3年目には苦手分野の改善に取り組む傍ら、クロスの質にこだわった。こうした不断の努力により、特に守備時のポジショニングや切り替えの早さは飛躍的に伸びた。

今では、言葉にも自信を感じさせる。「ミスを恐れずプレーしたい。得点、アシストでチームの勝利に貢献したい」と内に秘めた闘志を燃やす。

「得点とアシストで結果を残す」と語った

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS