男性焼死…生きたまま火を付けられる直前、凶器で複数骨折させられたか 早朝の会社、仲間と解散後に悲劇

事件現場前を警戒する警察官=17日午後、朝霞市上内間木(写真一部加工)

 埼玉県朝霞市上内間木の内装会社「長葭(ながよし)内装」で事務所兼作業場が燃やされ、社長とみられる男性(43)が殺害された放火殺人事件で、朝霞署捜査本部は17日、男性の上半身に骨折痕が複数箇所あったことを明らかにした。県警は何者かが何らかの凶器を使って男性を暴行し、直後に火を放って逃走したとみて調べている。

 捜査本部によると、遺体は皮膚が焼けただれており、あざの有無は確認できていないが、検視の結果や現場検証などから複数の骨折痕は人為的につけられた可能性が高いと判断した。遺体が気道熱傷を負っていたことから、暴行されて生きている状態で火を付けられたとみている。

 男性は殺害された前日の13日夜から複数人の同業者と県外に車で内装関連の仕事に出かけていたことも判明。14日の早朝に仲間と事務所に帰ってきて、その場で解散したという。その数時間後に事件に巻き込まれたとみられている。

 現場の建物は作業場と事務所に分かれ、遺体があった南側の事務所は縦6.5メートル、横5.5メートルで、約36平方メートルの屋根付きの部屋。建物の扉は施錠されていたものの、作業場と事務所をつなぐ扉は開いていた。遺体は東側の流し台の前に倒れていたという。事務所の窓は2カ所あり、鍵がかかった状態でガラスは割れていたが、飛散状況から火事の熱波で割れたとみられている。

 県警は同社の取引業者らから話を聴くなど、トラブルの有無などを捜査する。

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