不登校の子どもや家族を支援するNPO法人「キーデザイン」(宇都宮市)は18日までに、栃木県内のフリースクールを紹介するマップを作製した。また子どもの不登校に悩む親に向けた動画もウェブ上に公開。土橋優平(どばしゆうへい)代表理事(28)は「孤立や孤独を感じている子どもとその親に『必ず居場所はある』と伝えたい」と力を込めた。
フリースクールはさまざまな事情がある子どもたちが学校の代わりに過ごす場所で、企業やNPO法人などが運営している。マップには、キーデザインとつながりのある県内12カ所を載せた。キーデザインによると県内のフリースクールの情報がまとまった資料はなかったという。
学習や課外活動など、過ごし方や雰囲気はフリースクールによって異なる。写真や内容をそれぞれ掲載し、子どもの希望に沿った場所を探せるよう工夫した。
マップはカラーの三つ折りで、折りたたむとA5サイズになる。5千部を作製し、小児科や子ども食堂など約400カ所で配布している。今後増刷する予定。
公開した動画は「居場所はきっとある」。不登校になった女の子と母親の物語を通じ、子どもの不登校に悩む親へエールを送る。パラパラ漫画形式で約4分間。キーデザインのホームページなどに掲載されている。土橋代表は「悩む親たちに言葉ではない形で希望を届けたい」と願う。
キーデザインは2020年から、無料通信アプリ「LINE」上の窓口で、年間300人以上の保護者から不登校に関する相談に対応している。
文科省の2020年の調査によると、本県国公私立の小中学校での不登校児童生徒は3385人。全国的に増加傾向にある。