大淀川水辺空間 活用探る 特区指定目指し社会実験

大淀川河川敷でにぎわい創出に向けて開かれた社会実験「大淀川リビング」

 河川敷など水辺空間を有効活用することを目的にした社会実験「大淀川リビング」は15日、宮崎市の宮崎観光ホテルそばの河川敷などであり、共有空間の河川敷や川が持つ可能性を探った。今後、結果の検証やさらなる実験を重ね、日常的にイベントなどで利活用できるようになる国の特区指定を目指す。
 同社会実験は市民や民間企業、宮崎河川国道事務所などでつくる実行委員会が企画し、2019年から不定期で開催。4回目の今回は、ギョーザやクラフトビールなど約20店の飲食ブースに加え、県カヌー協会などの指導でカヌーやスタンドアップパドルボード(SUP)体験などもあった。同日は家族連れやペット同伴の周辺住民ら約4500人が来場し、川面を眺めながら、イベントを楽しんでいた。
 宮崎小2年の網泰士朗君(7)は家族6人で来場。「近くに川はあるけど、カヌーに乗るのは初めて。足がぬれたけど楽しかった」と笑顔を見せていた。
 河川敷などの水辺空間を巡っては2011年、国が利用規則を緩和。都市再生特区に指定されると、イベント開催やキッチンカーでの営業など営利活動が可能となる。
 同実行委の今西正委員長は「既にある貴重な資源をどう生かすかが重要。価値に気付いてもらい、市民や企業が日常的に使えるような場所にしたい」と話している。

© 株式会社宮崎日日新聞社