平和願い「キッズゲルニカ」制作 雲仙・千々石第二小 長崎で8月展示

平和への思いを込めながらキッズゲルニカを描く児童=雲仙市立千々石第二小

 長崎県雲仙市千々石町の市立千々石第二小(峰添奈津子校長)の全校児童17人が17日、平和を願う大型絵画「キッズゲルニカ」を描いた。長崎の地から芽吹く平和の若葉を子どもたちが見守る姿をイメージした作品で、8月に長崎市松山町の爆心地公園そばの下の川沿いに掲げる。
 キッズゲルニカは、スペインの画家ピカソの反戦壁画「ゲルニカ」と同じ縦3.5メートル、横7.8メートルのキャンバスに描く。長崎親善人形の会「瓊子の会」(山下昭子会長)が毎年、国内外の子どもたちに呼びかけ、広島、長崎に原爆が投下された8月に展示している。
 同校の作品は、鮮やかな虹色の若葉を17人の児童が囲む構図で、周りに「希望」「えがお」「なかよし」などの平和実現へのキーワードをちりばめている。
 6年生の黒田さくらさん(11)は「どうやったら世界のみんなが仲良くできるのか考えながら描いた。きれいに出来上がったと思う」と満足そうに話した。
 同校での制作は、卒業生で同会会員の美術家、内藤修子さん(72)=長崎市=と、同級生で同校学友会役員の岩永正明さん(72)が峰添校長に提案。制作に先立ち、内藤さんは、ロシア軍によるウクライナ侵攻にも触れ「テレビなどで怖い映像を見て、心を痛めている子どもたちも多い。キッズゲルニカを描くことが平和への祈りになる」と児童に説明した。


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