草の上でぐっすりと眠っているのは、子ヤギです。次の瞬間…。爆睡していたはずですが、「いや、寝てないよ」と言わんばかりのカメラ目線です。
こちらの子ヤギに会いに行ってみました。
やってきたのは、広島・呉市安浦地区にある「女子畑やぎ牧場」。動画を撮影した割方遥花さんに牧場を案内してもらいました。この牧場では、7頭のヤギを飼育しています。
割方遥花さん
「少し様子を見ようと思って、どこにいるのかなと見たら、このあたりに白いものが見えたので、『もしかして死んでいる?』と思った。耳が動いていたので、昼寝しているだけだろうと思いながら、両手足をのばして昼寝をしていて…」
その子ヤギを紹介してもらいました。
割方遥花さん
「ここが親子。この子がきらりちゃんといって、お母さんが3月に産んだ」
生後2か月半の男の子です。生まれたばかりは体重およそ1.6キロ。片手で抱っこできるほどの大きさだったそうですが、今では両手で抱えきれなくなるまで成長したようです。
割方さんは、このほかにも牧場で飼っているヤギの動画を撮って、SNSにアップしています。
割方遥花さん
「(去年、)子ヤギが生まれていたときにスロープをつけていたときがあって、子ヤギたちが渋滞して登ったりして遊んでいる動画もあったし、見たら癒されるので、一日中見ていられる」
割方さんが牧場を開いたのは、4年前の西日本豪雨の後でした。
当時、被災地の安浦地区では、ボランティアが子どもたちのふれあいイベントを企画していて、その場にいたのがヤギでした。
割方遥花さん
「豪雨災害のときに(ヤギに)出会わなかったら、こんなふうになっていなかったのかもしれない。(4年前は)草をかき分けて歩くほど生えていたが、囲ってからは一度も草刈りをしていない」
それ以降、割方さんは、子ヤギを連れて、地元の子どもたちと触れ合ったり、ほかの飼い主に譲渡したりする取り組みを続けています。この子ヤギも譲渡先が決まっているようです。
割方遥花さん
「この子は、三つ子だったけど、ほかの兄弟は新しい家に行っていて、来月には兵庫県に行くことが決まっている」
生まれてくる子ヤギは、数か月後には新しい家庭で暮らすため、名前はつけていません。
割方遥花さん
「コロナ禍で子どもの体験が減っている中、安浦の地域資源として、近くの小学校や幼稚園など関わりが持てたらうれしい」
動物にふれあい、人と人とのふれあいを…。割方さんは、今後もこうした活動を続けていきたいとしています