環境に優しい弁当完成 アカマツの曲げわっぱ 那須塩原市

市内の競技会場で選手・監督らに配布される「国体ロカボア弁当」

 【那須塩原】渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)市長は19日の定例記者会見で、10月の「いちご一会とちぎ国体」期間中、市内競技会場で選手・監督らに配布する弁当が完成したと発表した。市が掲げる「ゼロカーボン・プラごみゼロへの挑戦」の一環として、那須塩原ブランドであるアカマツ材の経木(きょうぎ)を使った曲げわっぱを使う。

 弁当の名称は「国体ロカボア弁当」。ロカボア(locavore)とは、地元を意味する「ローカル」に、食べる人を意味する接尾語「ボア」を付けた米国の造語。曲げわっぱの作製には三区町の「島倉産業」など複数企業が協力した。価格は900円。注文に応じて人数分を作ることになっており、市は計3千個程度になると見込んでいる。

 弁当の調理は市内の弁当業者6社が担う。地元産の食材を多く使い、主食3種類(白飯、鶏そぼろと御養卵の二色丼、菜飯)、主菜4種類(鶏の照り焼き、鶏の唐揚げ、豚のしょうが焼き、ポークソテー)のいずれかを日程ごとに組み合わせる。

 市は同国体を環境に配慮した「ゼロカーボン国体」とするため、さまざまな取り組みを行うとしており、弁当箱もその一環。競技役員やボランティアの弁当箱は紙製とし、競技会場のごみ袋は植物・再生プラスチック由来のものとする。こうした取り組みによりプラスチックごみ1.1トン(二酸化炭素換算で3トン)の削減につながるという。

 記者会見前には市庁舎内で試食会が開かれ、渡辺市長、松田寛人(まつだひろと)議長ら6人が参加。「木の香りがご飯のおいしさを引き立てている」などと称賛の声が上がった。渡辺市長は「弁当を通じて那須塩原らしさを感じてもらい、プラごみゼロの取り組みを進める一歩になれば」と期待感を示した。

弁当を試食する渡辺市長

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