行方不明の男性ずぶ濡れ衰弱…新聞配達員が救護 別の男性も行方不明、異変感じ会社員が救護…放っておけず

中山和典署長(左)から感謝状を受けた(左から)小野寺良彦所長、吉川徹さん=18日、鴻巣署

 埼玉県警鴻巣署(中山和典署長)は18日、行方不明者の発見・救護で功労のあった熊谷市の新聞販売所長(読売センター熊谷南部・大里センター長)小野寺良彦さん(64)と、鴻巣市の会社員吉川徹さん(40)の2人に同署でそれぞれ感謝状を贈呈した。

 小野寺さんは4月1日午前1時20分ごろ、熊谷市久下地内で新聞を車で逓送(ていそう)中、鴻巣市の男性(86)が雨の中、傘も差さずに道端に座り込んでいるのを発見。声をかけ、衰弱していることから110番通報し、救急隊員が来るまでの間、男性の安全確保と救護をした。

 この男性は家族から行方不明届が同署に出ていた。小野寺さんは「日頃から地域の見守りや目配りをしているので発見できた。見落としたら命に関わっていたかも知れない。救護できて良かった」と安堵(あんど)している。

 吉川さんは4月4日午後6時ごろ、歩いて帰宅途中、鴻巣市滝馬室の御成橋上で北本市の男性(84)が強風と雨の中、立ち止まっていたことから声をかけ、道に迷ったと言ったことから、鴻巣署に110番。署員が来るまでの間、行方不明男性の安全確保と救護をした。

 この男性は家を自転車で出たまま戻れなかったという。吉川さんは「当日は風に加えて雨が降っていた。放っておけなかった。助けられて良かった」と振り返った。

 中山署長は「小野寺さんも吉川さんも、自分のことはさておいて救護措置を取ってくれた。重大事故につながらずに済んで、良かった」と感謝した。

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