那須高の悲鳴「放課後ダッシュで毎日ドタバタ」 JRダイヤ改正で授業繰り上げ

JR黒田原駅に向かう那須高の生徒。この日は試験期間中で午後の早い時間に駅を利用した=17日午後0時40分、那須町寺子丙

 JR東日本の3月のダイヤ改正の影響で、那須高(栃木県那須町寺子乙)が4月から、授業の終了時間を繰り上げる異例の事態になっている。多くの生徒が帰路で利用するJR東北本線黒田原駅発の上りで午後4時台の電車がなくなり、改正後の同3時55分の電車に間に合わせるためだ。生徒からは「放課後に余裕がない」などと不満の声が上がり、同校は4月から改善を要望している。一方、JR東側は19日に同校を訪れ、改めてダイヤの見直しはしないことを説明した。

 同校によると、全校生徒271人のうち約180人が電車通学で、徒歩20分の最寄りの黒田原駅を利用する。上りの黒磯駅方面から通う生徒が大半で、旧ダイヤの下校時は午後4時48分黒田原発の黒磯行きの電車を100人以上が利用していたという。

 一方、3月のダイヤ改正で、黒田原駅を区間に含む東北本線黒磯-新白河間で平日は上下線計6本が削減された。これにより午後4時台の黒田原発の上り電車がなくなった。生徒は3時55分発か、約1時間半後の5時28分発のどちらかに乗る形となった。

 通学に約2時間かかる生徒もいる中、学校側は生徒の帰宅時間が遅くなることや自宅での学習時間の減少を懸念。新年度から午後3時55分の電車に間に合わせるよう、3時40分だった授業の終了時間を10分早め、3時半に変更した。朝の読書の時間を削り、授業時間全体を前倒しした。

 「放課後は基本的に駅にダッシュ。毎日がドタバタになりました」。黒磯駅から電車通学する3年の男子生徒(17)は、ダイヤ改正後の生活変化に声を落とす。「元に戻してほしい」との本音を明かす。

 同校は4月、黒磯駅に対してダイヤの見直しを要望した。臼井伸一(うすいしんいち)校長(58)は「放課後の委員会活動や補習を行いにくくなり、教育面にも影響が出ている。何とかならないか」と語気を強める。

 JR東日本大宮支社側は19日、同校を訪れ、要望を聴いた上で、改めてダイヤの見直しはしないことなどを説明した。

 同支社は取材に対し、「(ダイヤ改正は)学生だけでなく、路線全体の利用状況や各線との接続などを総合的に勘案した結果」として、現ダイヤを維持する考えを示した。

JR黒田原駅に向かう那須高の生徒。この日は試験期間中で午後の早い時間に駅を利用した=17日午後0時40分、那須町寺子丙

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