中国人民銀、5年物最優遇貸出金利大幅下げ 融資促進狙う

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[上海 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の5年物を15ベーシスポイント(bp)引き下げ、4.45%とした。予想より大幅に引き下げた。

2019年にLPRの算出方法を変更して以来、最も大幅な引き下げとなった。景気支援に向け融資需要を喚起する狙いがある。5年物の引き下げは今年2回目。1年物LPRは3.70%に据え置いた。

銀行は5年物LPRに基づき住宅ローンの金利を決める。一方、その他の融資の大半は1年物LPRに基づいている。どちらのLPRも1月に引き下げられていた。

MUFG(上海)の金融市場担当チーフアナリスト、マルコ・サン氏はLPR引き下げは「今年の中国経済に日増しに逆風が強まっていることを示している」と分析。

新型コロナウイルス感染拡大と厳格な移動制限が経済に打撃を与えており、政府当局者らは景気減速に歯止めをかけるために一段の措置を講じると確約してきた。

市場参加者の間ではこの日の措置について、政策調整の強化へ断固行動し、経済が迅速に正常な軌道に戻るよう努めるとした李克強首相の発言を受けたとの見方も多い。

サン氏は「5年物LPRの引き下げは不動産部門の回復を加速させる狙いがある」とし、1年物LPRの引き下げを見送ったのは足元で銀行システムの流動性が潤沢な状況だからだと指摘した。

ロイターが実施した調査では、トレーダー・アナリスト28人中18人が1年物か5年物での引き下げを予想。このうち12人は両方で5bpの引き下げがあると予想していた。

中国は昨年末以降、大手や国有の不動産開発会社による資金調達を容易にするなど、同部門に一連の支援策を打ち出してきた。

今週には、初めての住宅購入者向けローン金利を一段と下げることを認める指針を発表した。ただ、この措置ときょうの5年物LPR引き下げだけでは不動産会社の資金繰り難は緩和されない。

ANZのシニア中国ストラテジストは「当局は不動産部門を回復させるかどうかを巡り合意に達した可能性がある」とし、追加緩和が見込まれると述べた。

キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンス・プリチャード氏はリポートで「今日の5年物LPRの引き下げは、住宅販売の回復に寄与するはずだ。住宅販売は最近、一段と悪化している」と指摘。

ただ「1年物LPRの引き下げは見送られた。人民銀行は的を絞った緩和を維持しているようだ。2020年のような大規模な刺激策を期待すべきではない」と述べた。

同社は、資本流出や人民元相場への影響を懸念して、1年物LPRの引き下げを見送った可能性があるとの見方を示した。