中国、宇宙ステーション補給船「天舟4号」の打ち上げに成功 6月には有人宇宙飛行も予定か

中国は、現地時間2022年5月10日、無人補給船「天舟4号」の打ち上げに成功しました。現在、中国は「中国宇宙ステーション(CSS)」の建設を進めています。宇宙ステーションの生活で必要な物資や宇宙ステーション内で行われる実験器具が輸送されました。

【▲ 文昌衛星発射センターで打ち上げ準備をする長征7号ロケット(Credit: CASC)】

天舟4号は、北京時間2022年5月10日午前1時56分に、中国南部にある文昌衛星発射センターから「長征7号」ロケットによって打ち上げられました。打ち上げから10分後、補給船はロケットから分離され、所定の軌道に投入。同日午前2時23分、補給船についているソーラーパネルの展開に成功しました。打ち上げを実施した中国航天科技集団有限公司(CASC)によると、打ち上げは無事に成功したということです。

その後、補給船は、同日午前8時54分に中国宇宙ステーションのコアモジュールである「天和」後方ポートへの自動ドッキングに成功しました。CASCによると、打ち上げからドッキングまでの時間が短縮される方式を用いて、約7時間でドッキングを行いました。

【▲ 建設中の中国宇宙ステーション(CSS)のコアモジュール「天和」にドッキングする天舟4号の想像図(Credit: CASC)】

天和には、現在別の無人補給船「天舟3号」が係留されています。天舟3号は2021年9月20日に打ち上げられ、天和後方ポートへ接続しました。2022年4月20日には、天舟4号のドッキング準備のため、一度後方ドッキングポートを離れた後、前方ポートへのドッキングを実施しました。

天舟3号は、CASCの傘下である中国空間技術研究院(CAST)によって開発されました。今回のミッションでは、半年間の長期滞在に必要な生活物資などの消耗品や宇宙ステーションのメンテナンス用具、応用実験装置やその材料などを輸送したということです。

長征7号ロケットは、中国運載火箭研究所(CALT)が開発した新型ロケットです。今回の打ち上げで5回目となります。CASCによると、このミッションでは17箇所の技術改良を実施し、ロケットの信頼性が向上したということです。なお、今回の打ち上げは長征ロケットシリーズ420回目の打ち上げとなりました。

【▲ 発射台に立つ長征7号ロケット (Credit: CASC)】

CASCによると、2022年には、2回の有人宇宙ミッションと2つの宇宙ステーションモジュールの打ち上げ、1機の補給船の打ち上げを実施すると発表しています。宇宙開発のニュースに詳しいメディア「SpaceNews」によれば、「神舟14号」有人宇宙船の打ち上げが6月に予定されており、約6ヶ月間の長期滞在を行うということです。神舟14号ミッションでは3人の宇宙飛行士が乗り込み、CSSの建設作業を行います。3人の滞在期間中には、CSSの実験モジュールである「問天」(Wentian)と「夢天」(Mengtian)が打ち上げられ、CSSへドッキングする予定です。

Source

  • Image Credit: CASC
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文/sorae編集部

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