がんの『再発・転移のおそれはぬぐいがたい』両側乳がんになりました149

サバイバーの声届け!

前回まで2回連続で子宮頸がんサバイバーの古村比呂さんのお話をお届けしました。お読みいただいた方ありがとうございます。サバイバーの声は本当に大事だなと思います。

今年、国立がん研究センターの患者・市民パネルの委託を受けて活動も始まります。医療者側も行政側も患者さんや未病の市民のみなさんにがんの情報をどうやって届けるか。日々の改善を目指されています。

世の中には問題のある表現の医療情報があふれています。ここからどう正しい情報をつかみ取るのか。最近、がん情報、とGoogleでサーチすると国立がん研究センターのがん情報サービスのページが上がってくるようにはなってきました。

https://ganjoho.jp/public/index.html

でもサーチワードはそれだけではないわけで、その真偽を探る、患者力が試されています。

がん情報サービス がんの統計2022より

検診の市町村ごとのばらつきはありますし、その市町村によって検診環境が異なり、病院にいって検診、集団検診の車でマンモグラフィなど様々です。一概には比較しずらい。いずれにしても大事なのは、自分の胸に関心を持つ、ブレストアウェアネス。必要以上に怖がらず、検診を受けていただきたいなと思います。

いま、検診に勇気を出していって、要精密検査、と言われて心が動揺されている方。お気持ちはよくわかります。そうかもしれないだけでまだ、そうではない。そうだったとしても、医療は日進月歩なので道はある。

『がんと診断されたあなたに知ってほしいこと』をあらかじめ読んでおくことをお勧めしたい、です。

https://ganjoho.jp/public/dia_tre/anatani_shitte_hoshiikoto/index.html

公的な機関、医療機関、そしてサバイバーさんだったり、頼れる場所はあります。

すぐには気持ちが持ち上がらないのも仕方のないこと。そんなに人間は強くありません。全部自分でやろうと思わず、助けを正しく求めてほしいなと思うのです。

47歳女性から

『47歳3カ月の昨年12月に片側の胸の温存手術を受け、3週間で職場復帰し、ホルモン治療中です。
阿久津さんと同年代で同じクリニックにお世話になったこともあり、勝手に親近感を覚えつつ、拝見しています。幸い、副作用もほとんどなく過ごしているのですが、再発の恐れ、不安はやはりぬぐいがたいものがあります。入院時に知り合った方など、患者同士のつながりの大切さをつくづく感じています。』

3週間で職場復帰。そんなことできるの?と思われる方もいらっしゃると思うのですが、退院後すぐ、の方もいらっしゃいます。人それぞれではありますが、主治医は気持ち次第と私も言われました。辞める必要はないよ、ということは強く申し上げておきたい、です。そして、いろいろあったと思いますが3週間で復帰した自分は最大限ほめてあげてください!がんばった!!!

復帰してもひとりではなかなか気持ちの浮上は難しいですし、悩みを伝えられるのも限られた人になってしまう、ということもあると思います。自分のがんの話をすると、不快な思いをさせてしまうのではないか、空気が悪くなってしまうのではないかとも考えがちです。わかってくださる人もいますが、伝えないとこのくらいの配慮がありがたい、あるいは配慮なくても大丈夫など、自分の思いは伝わらないもの。

私が未病の方へお話するときは、がんの啓発のつもりでお話するようにしています。そうすると自分も申し訳ないとは思わない。その人もがんについて、患者さんについての知識を得てもらえますよね。次の方へもそれで接し方が変わるかもしれない。そう思いながら、時々病を忘れつつ、病と向き合いながら過ごしています。

そして、この方もおっしゃっていますが、どんな方でも再発のおそれ、とか不安はぬぐいがたいものがあると思います。

私の例をお話しすると、翌日何が起こるかわからないのと一緒で、がんは誰にでも可能性があるので、今そのときを大切にね、と言われたことがあります。その再発・転移を経験された患者さんから最初に理解しておいた方がいいと言われたのが、転移と再発の仕組み。

転移と再発について、というがん情報サービスのページもあります。読む気にならない、という方も多いかもしれませんが、心が相当落ち着いて、大丈夫と判断できたときに無理せずにのぞいてみてください。。私は情報を知っておいて、自分でジャッジをしたいタイプの人なので、読むことができました。

https://ganjoho.jp/public/support/saihatsu/index.html

気持ちの浮き沈み、復活のスピード、さらにはがんの性格・性質も治療法も人それぞれ。個別化に対応できるがんのサバイバーシップのための相談場所・そして居場所が充実してくることが望まれます。

全国の患者会のみなさんともつながって、その情報や場所にたどりつけるお手伝いもできたらいいなと思っています。

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